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西国三十三所第12番 岩間寺 雷除けのお寺 +建部大社

普段は最寄りのバス停から一時間近く歩くようである。
意欲的な方は石山寺から登山をする。
毎月十七日のみ、JRおよび京阪石山駅前から岩間寺前に着く直通のシャトルバスが出ている。私はこの十七日のバスを目指して向かった。早めにバス停に到着したが、すでに行列ができていた。

第十三番札所の石山寺とセットで行く方が多いようである。意欲的な方は第十四番札所の三井寺も同日に巡られるようだが、初めての参拝でゆっくり見たいならあまりおすすめできない。石山寺も三井寺もともにかなり広く、建造物もべらぼうに多い。
岩間寺も立派なお寺であるが、石山寺ほどの広さはない。石山寺か三井寺のどちらかと組み合わせるとよいと思う。

御本尊は千手観音菩薩である。衆生(生きとし生けるすべてのもの)を救うために百三十六もの地獄を毎夜駆けまわり、朝、岩間寺に戻るころには汗でびっしょりになっていたことから「汗かき観音」と呼ばれている。
秘仏で、直近では、花山法皇一千年忌に合わせて二〇〇九年と二〇一〇年に開帳されたようである。
(花山天皇(かざんてんのう)がおこなった観音巡礼が、西国三十三所巡礼の元となっている。ここ、テストに出ますよ!)

岩間寺も眺めのよい場所にある。木々に覆われ神聖な空気で包まれている。
見どころはいちょうの木と蛙池(かわずいけ)である。
本堂前のいちょうの木は樹齢四百五十年の立派な大木で、エネルギーをいただける。また、桂の木が多く生えており、御本尊を刻んだ桂の木の子孫も祀られている。
蛙池は、有名な俳句「古池(ふるいけ)や 蛙(かわず)飛び込む 水の音」を松尾芭蕉が詠んだといわれている池である。本堂から不動堂へ回廊が続いており、お堂の中から池を眺めることができる。声はすれども姿は見えず。蛙の姿を探しながら、しばし愛らしい声を聞いていた。

他に、雷除けで有名である。
泰澄(たいちょう)が岩間寺を建てるとき、落雷に悩まされたそうだが、雷神を法力で封じ込めたところ、雷神より弟子にしてほしいと申し出があり、参拝者に雷を落とさせない約束をしたという話がある。
また、ぼけ封じ近畿十楽観音霊場の第四番にもなっている。第一番の今熊野観音寺と第六番の総持寺は西国三十三所の札所でもあるので、興味のある方は併せてチェクしておくとよい。

行事の日だからだと思うのだが、この日はたけのこごはんとにゅうめんのふるまいがあり(有料。しかし安い)、テント内にパイプ椅子が並んだ簡易休憩所にて朝食兼昼食にした。

スイーツ巡礼は、栗さらさ。栗の入った一口羊羹である。

続々と参拝者が集まってきていた。帰りのバスが心配だったので、法要の準備だけ見て早めに切り上げた。

帰りは、石山寺山門前で下車した。
「あも」を再び買って帰ろうとしたら、叶 匠壽庵(かのう しょうじゅあん)は水曜日の定休日であった。石山寺は先日行ったばかりだったので、石山寺のとき時間が足りずに行けなかった近江国一之宮である建部大社(たけべたいしゃ)に寄った。
石山寺駅から唐橋前駅までの一駅分を京阪電車に乗ろうか考えて、瀬田川沿いを歩くのが楽しそうだったので、そのまま歩いた。
小型船が泊まっているのを見たり、川のそばでぼんやり座っている人を眺めたりしながら、国道422号線沿いを歩き、近江八景のひとつ「瀬田唐橋(せたのからはし)」を渡ってさらに行く。

建部大社では、イラストレーター・添田一平(そえだいっぺい)さんによるカッコイイイラストが大きく使われている。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の神話が場面ごとに描かれた大きな看板が参道に並んでいた。

参拝し、御朱印をいただいた。
境内は広く、住民たちの憩いの場になっているようだった。元気な子どもたちの声が響いていた。

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第十二番札所 岩間山 正法寺

読み:いわまさん しょうほうじ
通称:岩間寺(いわまでら)

住所:滋賀県 大津市(おおつし) 石山内畑町(いしやまうちはたちょう)82

公共交通機関でのアクセス:
①JR琵琶湖線 石山(いしやま)駅より
京阪バス 52・53・54系統 中千町(なかせんちょう)停留所
停留所より徒歩約50分
②京阪石山坂本線 石山(いしやま)駅より
京阪バス 52・53・54系統 中千町(なかせんちょう)停留所
停留所より徒歩約50分
※京阪バスは、石山駅前から京阪石山寺前、石山寺山門前を経て中千町へ向かう。
③京阪石山坂本線 石山(いしやま)駅より
毎月17日のみ運行の無料直通シャトルバス(京阪バス)
停留所よりすぐ
※1日5〜6本で午前中のみ。時刻表は岩間寺のサイトにてご確認ください。

入山料:500円
時間:9:00〜16:30

宗派:真言宗醍醐派
本尊:千手観音菩薩(秘仏・開帳不定)

主な行事:4月17日 雷神祭

創建:722年(養老6年)
開基:泰澄(たいちょう)上人(石川県と岐阜県にまたがる白山を開山した高僧)

札所:
西国三十三所第12番
ぼけ封じ近畿十楽観音霊場第4番
びわ湖百八霊場第2番

御詠歌:
水上は  いづくなるらん 岩間寺
 岸うつ波は 松風の音

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建部大社

読み:たけべたいしゃ

住所:滋賀県 大津市(おおつし)神領(じんりょう)1丁目16-1

公共交通機関でのアクセス:
京阪 石山坂本線(いしやまさかもとせん) 唐橋前(からはしまえ)駅より徒歩15分

拝観料:無料
時間:9:00〜17:00

主祭祀:日本武尊(やまとたけるのみこと)

主な行事:8月17日 船幸祭

※上記は2019年4月時点の情報です。

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