【女子高生エッセイ】『眠れぬ美女も夢を見る🐏🌙』#不眠症
慢性的な睡眠障害である。
ここ一年で『よく眠れた』と感じたことは一度もない。
睡眠障害にも色々種類があるのだが私の場合は”入眠障害”、”熟眠障害”に振り分けられる。
簡単に説明すると自力で眠りに着けず薬で強制的に眠りについても浅いという感じ。
眠気が来る瞬間は薬を飲んでから大体4時間後。
最近、眠りにつけるのは3時から4時ごろ。
この事実だけ聞くと「早めに薬を飲めばいいじゃないか」と言われる。
もちろん何度も試した。
しかし早めに薬を飲むと頭が覚醒している時間に薬による眠気が来ることになる。
眠気に気づかないまま時間が流れ一睡もできなず翌日の朝を迎えてしまう。
長い間試行錯誤して得た結果なのだ。
通院しながら薬を調節することを繰り返してなんとか今の睡眠サイクルに落ち着いた。
結果的には人と生活のサイクルがズレてしまうことにはなった。
それでも一睡もできず次に眠るときは永眠になりそうな健康状態で生きていくよりはマシだと思った。
睡眠薬を飲んでいると強制的に脳がシャットアウトするのでだんだん言葉が出なくなる。
何も考えれなくなって闇の中に引きずり込まれる感覚になる。
それが一般的に言う眠気と同じなのかもしれない。
私はもう普通の眠気の感覚を忘れてしまったから分からない。
でも問題は熟眠障害の方である。
眠りが浅すぎて人の1.5倍から3倍くらい寝ないと目を覚ますことができない。
どれだけ頑張って起き上がっても、夢と現実の区別がつかずそのまま床に倒れてしまう。
だから目が覚めるまで寝続けなければならない。
浅い睡眠が毎日繰り返されていると夢がおかしくなってくる。
同じ夢が連日ストーリーになって続いたり明晰夢しか見れなくなったり。
映像ではなく文章が頭にひたすら流れ込んでくる夢を見たり。
逆に見たい夢を見ることができたり一度夢から目が覚めてもその続きを見ることができたりということもある。
同時に二つの夢が混ざることが多い。
映画のスクリーンを半分に分けて右と左で流している混ざり方もあれば、明晰夢を明晰夢の中で見ているという二重構造の混ざり方もある。
純粋に二つの夢が交互になって混ざることもあるし音声と映像が明らかに別の夢になっていることもある。
とにかくどこかおかしい夢を見ることが多い。
当たり前のように脳は寝ていても疲れているしバグでも起こしているんじゃないかと疑ってしまう。
眠っている間の頭の回転は起きているときより早いと思う。
意味の分からないストーリーが流れることなんて月に数えるほどしかなく、完成度の高いものを見せつけられている。
初めの方は見たい夢を設定したりするのは楽しかった。
だが、いつか夢に支配されてあちら側の世界に取り込まれてしまうのではないかと恐怖を感じるようになった。
『こういう夢を見たい!』という願いはポンポン叶うのに『夢を見たくない!』という願いは叶わない。
『夢を見たくない!』なんて願った日には百発百中悪夢を見る。
悪夢と言っても種類がある。
私が今まで見た中で最悪だったのは”歪んだ言葉が降りかかる夢”である。
重い言葉や汚い言葉、正しく無い言葉がひたすら頭の中に流れてくる。
10時間ずっと嫌いな教師に理不尽に叱られ続けているようなイメージに近い。
自分に口はついておらずただ一生懸命に降りかかってくる最悪な言葉に耐え続ける。
泣いて吐いて床に頭をつけて耐え続ける。
もう二度と見たくない。
長時間に渡って夢を見ると大量の情報が脳を休ませてくれない。
目を覚ますと前日の寝る前よりしんどいことが多い。
一般的に言われる寝てすっきりするという感覚がわからない。
夢を見ずに『よく寝たなぁ』と朝を迎えることはもうできないのか?
二度とあの悪夢を見たくないがために『こんな夢をみたい』と願う私が悪いとでも言うのか?
夢見る少女時代はそろそろ終演でいい頃だ。
私の脳ちゃんへ
どうか私を”普通に”眠れる美女にしてください。
そうしたら私も君をゆっくりと寝かせて差し上げれますので。
私が”眠れる美女になる夢”を見ることをやめるまで私の”夢見る少女時代”は幕を閉じない。
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