【女子高生エッセイ】『私の夢は空飛ぶペンギン🐧🪽』
高校2年生で私の転落劇場が幕を開ける。
2年生に入る頃に、私がマネージャーをしていた部活動のメンバーに生徒会長選挙で当選した子がいた。
その子から、生徒会を一緒にやらないか?というお誘いをいただいた。
私は純粋にやってみたい!と思い、生徒会役員になる。
役職は副会長。意外と忙しいらしい。
そうして、新しい1年が幕を開ける。
高2の夏、私は鬱になる。
詳しい理由はいつか説明するが、簡単にいうと教師からのいじめ。いわゆるゴミ教師がいた。
その精神攻撃による小さなひずみが積もり募って、鬱という形で私の身体に出現した。
そうして、私は高2の夏から入院する。
うつ状態になると、何も手につけられず勉強をする意欲が全く起きなくなる。
そして、同時に併発した睡眠障害により、得意だった暗記や計算が集中力の欠如により、一般的な人よりも遅くなった。
私の心はボロボロだった。
得意だった勉強をとりあげられたら私には何も残らない。
神様に何度も願った。
「もう一度、16歳からやり直させてください。」
好きだった理科の授業も入院中は受けることができず、全く授業に追いつけなくなった。
そうして、1番嫌いな教科になった。
楽しかった数学も同様に嫌いになっていった。
基礎があればそこまで支障がない英語と国語は私の心の支えだった。
入院後、私の学力は学校内で中の下くらいになった。
元は学年1桁くらいだったので失望した。
勉強のやる気がさらに起きなくなった。
問題が、分かる!できる!になるまでの道のりが3倍、4倍と険しくなっていった。
そうして、転落の高校2年生を過ごした。
年が変わって高校3年生。
生徒会の最後の仕事として、文化祭のエンディング映像の脚本を書いた。
書きながら、小学校の卒業文集に、将来の夢は『小説家』と書いていたことを思い出した。
ミステリーで、最後に真犯人が出てきてから画面が逆再生され犯行の映像が流れる。
伏線を回収しなら、進んでいくストーリー。
我ながら、最高の出来だった。
生徒はもちろん、先生からも評判が良かった。
そこで何かを掴んだ気がした。
きっと、創作の世界への切符だと思う。
その日から、私はその切符を改札機に通し、電車に揺られた。
どこに行くかわからない列車に乗りながら、文章を書いては丸めて捨てる。
あぁ、私はこのままどこへ行くのだろうか。
私の文章は、私の心の叫びは、誰にも届かないのだろうか。
そう考えていたところ、ここに辿り着いた。
noteというプラットフォーム。
面白い記事を読んでドキドキワクワクした。
それを言葉にしたい衝動に駆られ、スマホに大量の文字を打ち込む。
スマホのキーボードの上で、ステップを踏む私の指たちは、私の意識よりも速く言葉を生み出す。
気づいたら、エッセイは書き終わっていた。
それから、何かを書くたびに、『あ、これだ。』と思う。
もっと文章を書きたい。
他の作品と比べ物にならないくらい面白く、底深く。
そうして辿り着いたのが、芸術大学。
私は芸大に行く。文章を書くために。
現実世界では、私は通行人Bでもいい。
私の創る世界の中では、私はペンギンになって飛んでみたい。
できないことをやってみたい。
できないをできるに変える瞬間。
それがどんなにワクワクすることか私はまだ知らない。
だから、私は自分でそれを掴みに行く。
学力主義の学校や教師陣、級友に、私はとっくに置いて行かれてしまったが、そんな人たちをこれから追い越す自信がある。
想像するだけで、快感で体が痺れる。
私は置いて行かれたのではない。ただ、準備が他の人より長かっただけだ。
走り出す前には入念に靴紐を括るタイプなもんで。
私にしかできないことを掴みに行く時間だ。
17年で何がわかる。何もかもがこれからだ。
今はまだ、ひよこでいい。
10年後にペンギンになる。
20年後には空を飛んでる。
飛べない鳥なんて悲しい称号、私の世界に必要ない。
30年後、40年後、50年後、何が待ってる?
その時には、ペンギンに何ができるんだろう。
ワクワクする。本当の世界には常識なんて必要ない。
あぁ、世界はずっと私を待ってたんだ。
今から行くよ。
お父さん、お母さん行ってきます。
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