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映画「バビロン」感想 ブラピの演技×サイレント映画×音声映画の創成期を観る映画

★流石のブラピだ。演技が素晴らしい。ブレッドトレイン以来のブラピ。主役の一人だが、ラスボスの演技、風格が漂っている。
★ブラピ演じるジャックは、サイレント映画の大スター。出演映画は大ヒットし、興行収入もうなぎ上り。まさに、映画界のスターである。こだわりがあり、酒をたらふく飲んで撮影に望むが、撮影はしっかりと行うのが素晴らしい。スーパースターであり、気さくな人物でパーティーで出会ったマリーをすぐさま付き人にするのは流石である。
★そのジャックが、サイレント映画から音声映画になると苦労する。新作も当たらず、映画を笑われる始末になる。それはサイレントと音声の違いであり、セリフをイメージするのと、実際に聞くのでは異なる。小説などと同じで、頭の中で役者の声をイメージするのだが、実際に実写化されると声が違うと思ってしまう。
★また、ジャックが笑われたのは、セリフの影響だろう。サイレント映画では、セリフも文字だがら、会話の間がそのまま字幕の間になるが、音声があると、間のタイミングが役者次第になる。だから、慣れていない客に笑われてしまう。何年後かしたら、受け入れてもらえるかもしれないが。
★これは今の仕事にも言えて、まったく違う業界に行くと、それまでのノウハウが通じなくなるから、非常に困る。ソフトからハード、また、逆もそうだが、当たり前にある前提に苦しむ。特に能力があるほどだ。人間関係も異なるから、情熱がないと、かなりキツイ。
★サイレント映画と音声映画の過渡期。ジャックはクソ映画だと言っていたが、時が経つて変わるかもしれない。決断が早すぎた。ただ、プロデューサーのジョージが生きていれば全然違ったはず。ジョージね味方で、ジャックを見出した人物だから。ジャックがあの決断をしたのは、誰も味方がいなくなってしまったからなのかもしれない。妻も舞台で活躍する役者であり、あの当時は、観客の層も違っていたみたいだから、ジャックとは話が合わない。そーゆー複合的な要因がある。
★ラストにターミネーターやジュラシックパーク、アバターの映像が流れ、映画の歴史を印象的に表現していた。エンディングと思ったが、違い何が映画に対する思いを映像と音で表していた。それは劇中でのサイレント映画と音声映画に対する想いみたいなものだったのだろうか?
★音声映画制作で苦労しているシーンが印象的だ。ちょっとの音でイライラしてしまい、撮影が遅れてしまう。今と違って、簡単に編集できないし、ノイズキャンセラーもないだろう。苦労しているのがよくわかる。テイク7以上かかってようやく撮影成功。これはロケに出たほうがいいのでは?と言う感じだ。エアコンもつけれないほど、音に対して神経質になっているのがわかる。ジャックとは違う意味で苦労してる。結局のところ、時代の転換点に何をするべきかを問うているのがこの映画だ。

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