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3分で読める「バズ・ライトイヤー」感想 タイムスリップ、アドベンチャー、友情が揃った傑作

惑星からの脱出ではない

  • 鑑賞する前は、「惑星からの脱出」がテーマだと思っていた。広告では、戦闘シーンはなく、星からの脱出に時間が割かれてる。しかし、それは覆されて、未来の自分との戦いが待っていた。とある惑星に閉じ込められたバズ達は、何とか脱出しようとする。実際に脱出に拘っているのはバズ一人であり、他の人間は家族を作るなどして、惑星を故郷としていく。一度の実験に対して、浦島こうかバズは数分、他の人間は約4年経ってしまうので、惑星を第二の故郷と思ってしまっても仕方ない。数分の実験ならば、何度でもトライしたくなるか、4年ではトライにも限界がある。この時間に対する違いが、価値観の違いに繋がり、それが広がっていく。

惑星からの脱出に固執するバズ

  • 観ていて感じたのは、バズの惑星からの脱出への固執がキツイなということ。仲間たちは新しい環境に適応しようとしているに、バズは脱出に固執する。バズの失敗なので、挽回しようとする気持ちはわかるが、まわりをまったく見ないのは違和感がある。

  • それは仕方ないのかもしれない。数分の出来事が、惑星では4年経っている。それは大きい。バズがすぐに帰還したと思っても、まわりはかなりの時間が経っているわけだ。実際には、最終的に100年近くずれてしまい、価値観が完全に異なってしまった。不時着時の仲間は亡くなり、その子供や孫が生きている世界。惑星で生まれた人間はそこを故郷と思うだろう。

未来のバズの価値観

  • そのバズのまさに未来像が、今回のヴィランである未来のバズだ。彼は、惑星からの脱出に固執しすぎために、現代のバズと対立する。現代のバズは仲間の孫と行動して、脱出よりも惑星で生きることにシフトしていく。まわりの意見を聞かず、独断行動し、仲間の孫とも出会わなかった未来のバズは、不時着前までタイムスリップするという、脱出に凝り固まった価値観崩せないでいる。

  • 4年で脱出できれば良かったのだが、脱出の目処がつくまで100年近く経ってしまった。仲間達や彼らの子供、孫の価値観は変わり、バズとのズレが大きくなっていく。この映画がいいたいことは「失敗しても、環境に適応して、自分の力を発揮すること」だろう。

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