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3分で読めるアニメ映画「神々の山嶺」感想 山と生き甲斐とエベレストと

そこに山がある

  • ドラマや小説などで見たり聞いたりしたことがある言葉。本作を観ると、それがよく分かる。山があるからこそ、人は登る。分からない人には分からない。私も分からないが、登るからこそ、感じることもできるのだろう。全編にわたり、山とは何かを訴えてくる、そんな映画である。

  • 深町と羽生の何か言葉で表せない関係が印象に残る。カメラマンと登山家。エベレストを舞台に二人の生き様が交差する。山は怖いのだが、深町は羽生を撮りたいという想い、羽生はエベレスト登頂を目指し、すべてをかけてきた男。観ていると理解はできないが、山にはそんな魅了があるのかもしれない。

生きにくいのか

  • 羽生を観ていると、職人らしい生き様を感じる。人に合わせるより、自分の技術を目指すことにすべてをかけている。同僚が飲み会で楽しく話していても、山のことになると、真剣に配慮なく自分の言葉を言ってしまう。確かに自分に自信があればいえるが、いつそれが消えるか分からない。登山家には危険が伴うからこそ、同僚の協力が必要ではないのか。

  • とはいえ、単独登頂することに意味があるので、職人気質な羽生の考え方も分かる。ただ、一緒に岩壁を登った後輩を死なせてしまいます、それがさらに孤高の存在にしたように感じた。故意ではなく、事故なのだが羽生は自分が許せなかったのかもしれない。私もまさかそんな場面がくるとは思わなかったので驚いた。万全の準備をしても起きてしまう。山とはなにか。

ラストのエベレスト登頂

  • ラストの深町と羽生のエベレスト登頂を目指した登山は魅了的だ。深町はカメラマンでプロではない。それでも羽生を撮影するためについていく。最初は深町を助けないと言った羽生だが、深町の命の危険を救う。ただ、それが悲劇に繋がるのだが、一切の妥協を許さない山の怖さ。何が正しいのか。

  • 深町が羽生を追っていき、羽生の過去を知る。羽生も自分を追ってきた深町にエベレストに登る自分の撮影を許す。ふとした、友情が発生したかと思うが山がそれを引き裂く。この映画には絶望しかないのか。失敗をすると、死につながる。非常に恐ろしい。それでも山は人を魅了する。分からないが、山に触れると私もそうなるのかもしれない。

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