映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」感想 想い人への愛×ヴァイオレットの戦い×映像美の衝撃
映画館で観れて良かった作品。ヴァイオレットが歴史上の人物になったのは最高だった。あの切手欲しいのだけど。切手はイギリスをイメージするから、モチーフは昔のイギリスなのかもしれない。堂々の完結でいうことなし。島に移り住んだ後の話も読んだり、観たりしたい。手紙で人生が変わるを体現したアニメだ。手紙の価値は何で決まるか?この時代では代筆が浸透している。識字率などもあるが、伝えたいこと、イメージを言語化できる人材は貴重だ。今だと、メールだろうか。伝えたいことを的確に文字にして、文章にするのは中々に難しい。代筆は、依頼者の言葉を伝えるために、知識、経験、コミュニケーションが必要だろうに違いない。映像も秀麗であり、ヨーロッパ風の町並みや、島の景色、断崖絶壁など美しいものがおおい。愛する人はいますか?会っても大丈夫ですか?を真っ直ぐに描いている作品である。ヴァイオレットのように、身体も精神も強いが、想い人のことになると態度が変わる。人は想い人がいるかどうかで様々な、特に精神、顔つきが変わる。劇中のヴァイオレットを観ているとそう思う。少佐は心を閉ざしているが、やはり開かせるのはヴァイオレットである。長年の付き合いであり、上司と部下の関係が、エンディングを観ると結婚したようにも思えることができる。ヴァイオレットは本当に良かったと思える反面、これで物語が終わりと感じるのは寂しい。島での暮らしを是非みたい。なにせ、切手になっているのだから。
個人的には、外伝の形で島の住人から見たヴァイオレットの物語を観てみたい。ヴァイオレットは目的を果たしたわけで、それを住人の目線から見たいわけだ。そこから、初めて見れるヴァイオレットの表情が表れるはずだし、何よりも笑顔のヴァイオレットが楽しみになる。映画では、代筆が電話に置き換わる転換期にあたり、どれだけ手紙の価値が残るかが問いかけられている。にも関わらず、島では切手になるほどヴァイオレットが有名になり、国の中でもトップクラスに手紙か出されるという。そーゆー展開をアニメで観れたなら、また新しい想像をすることができる。ヴァイオレットの物語はひとまず完結したが、まだまだ先が気になるのも事実だ。アフターストーリーは観てみたい。劇場版の90分ぐらいで、島やかつてヴァイオレットに代筆を頼んだ人達の視点で描いてほしい。ヴァイオレット視点は完結したわけで、そこからいかにして切手になるほど有名になったのかが知りたい。本作では、ヴァイオレットと同じ職場で働いていた女性が、老婦人になり、博物館の案内をしていたが、そーゆー人達の思い出話も観てみたい。孤島で傷ついた二人が、住民と一緒に心を癒やしていくのが想像でき、あのラストから展開される物語が美しい。まさに、ヴァイオレットエヴァーガーデンの集大成の物語となっている。二人の幸せが歴史になっている。
印象に残っているのが、切手だ。ヴァイオレットがラストに移り住む島では、ヴァイオレットが鞄を持った横姿の切手が買える。限定品と言えるかもしれないが、島では電話が普及し、代筆の仕事がなくなった時代でさえ、手紙を出す人が多いという。そこまで多いのが素晴らしく、実際に売ってもいいのではないかと思うぐらいだ。ギルベルト少佐と結ばれた島では、物語のラストに相応しい展開になる。ギルベルトとヴァイオレットは一緒に住むようになる。ディートフリートとギルベルトの和解は、ラスト前として、とても印象に残るだろう。ディートフリートは冷徹なイメージだったので、かなり驚いた。兄弟がいると、実感できるかもしれない。ヴァイオレットが船から飛び出すシーンもあり、物語のラストに相応しい。ただ、ヴァイオレットの体力が凄まじく、船から豪快に飛び出し、ギルベルトと結ばれるシーンだけは、何か違和感があった。まあ、ヴァイオレットの願いが叶えられたからいいかと言う感じだ。手紙の力は、現代でも効果的だ。特に手書きは印象がよく、ラブレターや仕事関係でもらったら、かなりの好印象。ヴァイオレットエヴァーガーデンは、手紙でつながる人間関係の物語でそこに醍醐味がある。最後に、一人野良道を歩く、暗闇の中のヴァイオレットが何を思うのか?3回ほど観たが、未だに答が分からない。明るい未来ではあるが、何か物語の可能性を感じられる。できることなら観てみたい。
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