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映画「丘の上の本屋さん」感想 本好きな人のための本屋さんの群像劇 本屋×店主×子供との対話

イタリアの本屋さんの話みたいでしたが、本屋ならではの群像劇が面白かったです。次々訪問する客は、本が目当てなのですが、店主のリベロおじさんの対応が記憶に残っています。皮肉をきかせた本を紹介したり、本をあげたり、また、少年には貸してあげる。本屋を通したコミュニティーが成立していて、隣のカフェの店員がいいスパイスになっています。

少年に読ませる本は、星の王子さまや白鯨など、有名な本。しかし、感想を求めることで、人生の水も甘さも感じ取れるようにアドバイスしていく。これがいいんですよね。本屋は本屋なんですが、そこで終わればただの本を売り買いする場所に終わってしまいます。感想という、能動的な行為に誘導することで、本を読む楽しさや人生経験を絡めたアドバイスを行うことができます。大きな本屋では、ビジネス優先で、店員の時間を奪う、マンツーマンの感想話はできませんが、本作の、店主が一人で切り盛りし、地域に根ざし、コミュニティーの一つとしてしっかりとした本屋なら可能ということになります。

最近は、本屋がどんどん閉店すると聞きましたが、昔の本屋にはこーゆー魅力があったのでしょうね。人と人がコミュニケーションできる場として大切な場所。湯道でも同じことのように思います。あちらは銭湯ですが。

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