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映画「ジョゼと虎と魚たち」二人の恋愛 お互いを助け合い桜の未来へ


車椅子の女性とスキューバダイビングが趣味の男性の恋物語。片方が辛い時期でも、もう片方が助けてくれる。単純な恋愛ではなくて、いろんな障害がある中で成長していくのが特徴だ。印象的だったのは、ジョゼのライバルの女性。主人公の男性と同じ学生なのだが、主人公が打ちのめされた時に、自分だけではなくて、ジョゼの元に向かう。そして、ジョゼにも活を入れるのだが中々にできることではない。負けヒロインとか言われるかもしれないが、恋愛にも正々堂々だなあと感動した。まあしかし、主人公が弱っている時に、優しくしたがまったく意味がなかった可能性もあって中々にシビアかもしれない。人間、弱っている時に優しくされると、恋愛感情を抱いてしまうというのはよくあるし、実感すらしてしまう。そーゆー、恋愛のバトルがバチバチを繰り広げられたかもしれないが、主人公もジョゼもかなりキツイ時期だっただけに二人にとって、その後の人生にはよかったのかも。結末を知っているからこその話だが。ジョゼも主人公も段々と変わっていってお似合いのカップルになるのがいい。恋愛作品はハッピーエンドにならないと気分が悪くなるから、本作は良かった。そういえば、クリスマス間近で公開されたと思うが、一人でも楽しめる、辛い時期に観ると、少し元気になる作品だ。

ジョゼは作家で稼ごうとするが上手くはいかない。そんな時に、図書館で司書さんと友達になるのだが、それが回りまわって主人公を助けることになる。ジョゼは主人公に人生を変えてもらったから、今度は図書館で、絵本を作ることで主人公を助ける。その恩返しではないが、物語が動くのは納得してしまう。最初は、主人公がジョゼを助けて、次はジョゼが主人公を助けることになる。主人公は事故に合うわけだが、ジョゼも間接的な原因になる。そーゆー複雑な関係がラストには上手く収束するのは印象的だ。ジョゼは可愛いのだが、偏屈で頑固。それでいて夢見がち。逆に主人公はリアリストでコミュ力が豊か。しかし、合わないようで惹かれ合う二人。ラストの桜舞い散る中での再開はいいなあと思う。若い二人の物語だが、年齢関係なく楽しめる恋愛物語だ。ジョゼが関西弁なのもよくて、かわいいなと感じる。言葉はキツイが、境遇もあり、色々と考えさせられる。自立するためにはどうするか、人との関わりはどうしたらいいのか、そーゆー人間関係についての本質みたいなもの、助けることの本質が分かる作品になっている。

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