映画『ゴヤの名画と優しい嘘』感想
名画を購入するのは中々に難しい。国民の意見を聞くのも必要か。
実はおじいさんではなく、息子がゴヤの名画を盗んだのが意外だった。
盗みに悪意ではなく、見返そうという思いだったのか。当時の階級社会がイメージできた気がする。
主役のおじいさんはすぐに仕事をクビにされるが、言いたいことをハッキリいうので、仕事するには厳しい。
ハッキリいうのはいいけど、入社間もない時期に上司に意見するのはどうか。当時は階級社会だったようだし。
逆におばあさんは権力者の婦人と仲が良かったし、何事もコミュニケーションだなあと思った。
おじいさんはもう少し静かになれば、仕事も続くと思う。タクシー会社で働いている場面でお客さんからクレーム入っていたし。
仕事のやり方は難しい。
おじいさんは仕事がうまく行かないけど、おばあさんは夫人から信頼されている。この関係性が見事。
夫人がマジで人ができている。おばあさん(ドロシー)におじいさん(ケンプトン)の仕事を紹介するとか。
公式サイトを見ると、ケンプトンが政治理想主義者と書かれていた。人のために動ける人物だったけど。
ケンプトンの生き方は中々出来ないけど、マネも出来ない。
毎日の中でケンプトンは、楽観主義でドロシーの苦労が見て取れる。でも、良い夫婦だと思った。
高齢者にテレビを!と意見していたが、いつの時代も孤独が非常に問題だ。
テレビが重要なコンテンツ。物語はここから始まる。画面の中の物語がケンプトンに影響を与える。
ケンプトンの立場になると、戯曲と社会活動で何か変えたいのは分かるけど、人を引き付ける何かがないと難しい。
息子が名画を盗んできた事実を知って、庇うケンプトンは父親だったが、すぐに返せば良かった。まあ、対応は賛否両論だと思う。
裁判のシーンでは、見事に全員ケンプトンに騙された。とはいえ、ケンプトンが地道に社会活動してきたからこその信用がある。自信満々に発言するし、あのシーンはまさに圧巻。
ラストでは、息子が大臣?に告白するけど、国民が信じた事実が真実だ。余計なことして、真実を変えると私達は黙っていないと釘を指すのは当然か。
名画を盗んだ息子だけど、現代から見るとかなりガバガバで監視カメラもなさそうだった。昨今の映画を見ていると50年以上前か技術が進化した未来の話が多い。
最後は息子が幸せそうで良かった。とはいえ、真実が隠されたままではモヤモヤするので、大臣とのシーンが印象に残る。
ケンプトンの生き方はしんどいが、映画だと感動できるかもしれない。真摯な態度が大事だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?