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いい映画は免疫力も上げてくれた

今朝は絶望的な目覚めだった。
一ヶ月くらい寝不足が続いていたため、久しぶりに目覚ましを遅めに設定して、目一杯眠ろうと早めにベッドに入った。

なのに深夜に目が覚めて、青ざめた。
喉がイガイガする。
嘘だろと思って、イガイガの時に早めに飲む薬と喉スプレーをして、朝には治っていますようにと祈るような気持ちで寝た。
でもその祈りは叶わなかった。喉がイガイガするし、鼻も詰まり気味だし、最悪だと思った。

今日の予定をすべてなしにして、明日の朝劇本番に向けて一日休むことにした。
正直、この9のつく日エッセイも今日はやめておこうかなと頭をよぎったけど、今一緒にやっている朝劇のメンバーの中に、このエッセイをずっと読んでいて楽しみにしてくれている人たちがいることを知った。

「え、知らんかった!いいね押してよ!」
って笑いながら言ったけど、「いいね」で示さなくとも楽しみに待ってくれている人がいるのかということを知れて、私はとても励みになった。
だから今日も書こうって思わせてくれたのは、読んでくれる人がいるからだった。

朝起きて病院行くまでに、とりあえず家にある薬で何を飲めばいいか迷ったから、看護師の友人にヘルプの連絡をした。すると「今なー、まじ黄砂とpm2.5やばいからなー」と来た。
「ん?風邪じゃないのか?」
私はてっきり風邪だと思い込んでいたから、友人の予想外の返答にまず驚いた。

正直それだけでも私はだいぶ救われた。風邪じゃないと思えるだけで、早期の回復の余地があると思えたから。
でも「黄砂なんかに私はやられちまうのか」と虚しくもなった。そういえば、昨日小さなものもらいのようなものができて薬塗ってすぐ治ったけど、「あ、私今免疫力が低下してるのかもしれない」とよぎっていたところだった。

「黄砂なんかに」と思ってしまうけど、免疫力が低下していたらそりゃ弱った体に何でもつけ込んでくるよなと思った。
その友人は「私アレルギーとか花粉からすぐに喉にくるから」と言う。私は今まで風邪で喉から来ることが多かったため、そういうこともあるのかと驚き、風邪だとばかり思い込んで一人で焦っていた私は友人に救われた気分だった。

予定をすべてなくした今日をどう過ごそうかと考えていると、事務所のマネージャーが貸してくれたDVDが目に入った。
それは『素晴らしき哉、人生!』、名作として名前だけはずっと知っている映画だった。

「名作」と呼ばれるものは「いつか観る時が来る」と不思議なくらい当たり前のように思っていて、いつかいつかと気づいたら見逃しがちになってしまう。
今日、ついにこの作品を観るタイミングが来たと思った。

映画は何も知らずに観たい私は、観ながら色々考察して新鮮に知って感じていくのが好きなタイプ。
だからもしこの作品を何も知らずに観たいという人は、読むのはここまでにしておいた方がいいかもしれない。

この映画は始まり方がファンタジー系なのかなと思いきや、小さな町で真面目に生きている人間を丁寧に描いていた。
話がわかっていくにつれて、いろんな考察をせずとも起きていく出来事にこちらもついていこうとする。
すると、終盤に待っていたのは、
究極の「発想の転換」だった。

「明日死ぬかもしれないと思って過ごしてみると考え方が変わる」みたいな、思考次第で行動や見え方が変わってくるということはよく聞くし、今までも今も実践する時はある。
でもこの映画で描かれている「発想の転換」は私が考えたこともないもので、あまりに究極だった。それが私にはとても新鮮で感動し、涙が止まらなかった。

自分の真面目な性格が邪魔になる時は今まで数えきれないほどあった。でもその性格ゆえに人に救われたことも数えきれないほどある。この作品を体験した今は、真面目に生きる大切さを改めて身に沁みた。

今までも人に生かされているのが人生だと思っていたけど、今一度自分が生きていることで人に与えることになっている影響についても考えさせられた。逆に今いる周りの人たちがいる影響で私が生きていられるということも実感させられる。

「友あるものは敗残者ではない」

最後にこの言葉が出てきた瞬間に私の涙は嗚咽に変わった。
うまくいかない時はたくさんある、だけど今朝の看護師の友人のようにさらりと助けてくれる人がいる。それだけでどれだけ幸せなことかを日常の中に馴染ませず、本気で噛み締めた。
支え合える友人、笑い合える友人がいることに感謝して、また生きよう。

この名作を観るタイミングは、今だった。
DVDを貸してくれたマネージャーにも感謝だ。
少し元気になれた私は耳鼻科に行き回復した。

人に翼を生えさせるように、私も翼をもらえるように、転換次第で幸せなことってたくさんあるんだろうなって想像させられる最高の映画に、また出会えた。

朝劇が気になった方はぜひこちらへ。

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