ウラジオストク駅にて
昨年の9月、夏の終わりにしてはやけに肌寒い地だった。日本、関西国際空港からわずか2時間半、なのに街行く人の顔ぶれはアジア人でなく西洋人ばかりだ。それもそのはず、ここはロシア・ウラジオストク。いくらロシアの中で南にあるといっても日本よりは当然北に位置する。街を出歩く人々の装いはもう既に長袖だった。
そんな中、半袖で季節感のない東洋人の僕はホテルから歩いて数分、ウラジオストク駅に着いた。別に今から列車に乗るわけではなく、かの有名なシベリア鉄道の終着駅がどんなものかと見にきたのだ。