見出し画像

医療者「こんなことで受診するな」

おはようございます。こんにちはこんばんは。

せつなです。


医者をしていると、様々な患者が受診にきます。

症状も様々、キャラクターも様々。

同じような対応をしても、それに対して帰ってくる反応も様々で、それが医療の最も難しいところなのではないかと思うくらいです。


口コミやニュースやSNSなどで散見する患者側の意見として

「こんなことで受診したの?」といわれて悲しかった。
もしくはそのような対応をされた。

というものを拝見し、それに対する考えを述べていきます。


画像1


①患者は困っている

大前提として、どのような軽微な症状であっても

大きな病気の前兆なのではないか心配
これから悪くなっていくのではないか不安
軽微というけれど私にとってはとても痛い

という思いから受診しているものと思います。

わざわざ病院にくるのって、普通に考えて億劫ですよね。軽微な症状であっても、それをのりこえて、受診しているのだから、その症状については真摯に向き合うべきです。

ただし、これはどう考えても当たり前の話でこれを理解していない医者というのは存在していません。※ごく一部の例外を除いて


ではなぜ、このようなトラブルが生じるのでしょうか




②疾患を診ている

医師側の問題として、「疾患にしか目がっていないこと」が原因として挙げられます。

日々重症から軽症まで多くの疾患を経験している医師にとって、(困っているのだろうけれど)治療の必要のない疾患というものを軽視しがちです。

「病気をみて人をみず」とでもいいましょうか。


私が一番経験する例として、ぎっくり腰があります。

急性腰痛症ともいいます。


発症すると突然腰が痛くなって立てない歩けない。僅かな体動でも腰が痛くて痛くてしょうがない。

ただし、骨が折れているわけでもなく、画像検査では異常は見当たらない。

痛み止めを処方して、ひとまずこの痛みが落ち着くのを待つしかないという状況。

あまりの痛さに、夜間であっても救急車を呼んで受診する人も多くいます。

私も実際ぎっくり腰になったことがあるのでわかりますが、これは絶対に重大なことがおこっている!と焦ってしまうほどの痛みがあります。


だがしかし、特に当直帯の医師としては

鎮痛剤を処方するしかできることはないし、こんなことで救急車呼んでこんな時間に来るなよ。むしろ家で寝ている方が体のためになるぞ。

となるわけです。

画像2



③非常識な患者のとらわれている

本当にこまって受診している患者ばかりであれば、真摯に対応できるでしょうが、非常識な患者はいます。

明日仕事だから夜の救急外来で薬だけもらっとこうと思った
病院に来たのだから、すぐに治せ
医療はサービス業なんだからサービスしろ

などなど

画像3

世の中には本当にいろんな人間がいるのだなと思い知らされます。

こちらでも書きましたとおり、医師というとは狭い世界で生きてきた人が多いです。

その中で自分の常識からはかけはなれたことを言われると、嫌な顔をしたくもなりますね。


そのような患者の対応をしていくうちに
患者に対して悪いイメージをもってしまい、そこまで非常識な相手でなくても非常識な人間としてフィルターをかけてみてしまうようになってしまいます。


こういう医師は、ある程度経験を積んだ若手から中堅の医師に多い印象ですね。



③患者は非常事態

そもそも病院に来ている時点で、ケガや病気をしている時点で、患者にとっては非常事態です。

もともとは常識的な人間でも、そのような状態で冷静さを欠いてしまい、むちゃなことをいってしまうこともあるでしょう。

でも医師にとっては日常。

ここの温度差、GAPがコミュニケーションにとって障害になっている可能性があります。


画像4



④まとめ

医師側にも余裕があれば患者の心に寄り添った対応ができるのでしょうが、激務の中余裕がない人は多く存在します。

これは医師の問題というよりは医療体制の問題かもしれませんね。


また、見返してみるとそりゃ状況も立場も違うし、このようなトラブルは起きますよね。


自分の常識は他人の非常識

それを理解して、お互いに気持ちのいい付き合いをしていきたいと思います。



ここまで読んでくださいありがとうございました。

気になった、おもしろかった、医師にはこうしてほしい!などという方おられましたら、スキ、コメントをお気軽にお願いします。

ではでは、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?