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闘う女性(読書感想:ババヤガの夜)

「闘う女性」が見たいなら、本書を手に取ってください。

今日は一冊本を読み終えたので、感想を書こうと思います。

なるべくネタバレなしで書きますが、ネタバレに繋がりかねない部分もあります。

なので全くネタバレなしで読みたい方は、①と②だけ読んでいただければと思います。


ババヤガの夜
著者:王谷 晶

①ひとこと感想

かなり面白かったです。

そこまで長い小説でもなく、血湧き肉躍るようなアツくなれる内容なので、あっという間に読み終わりました。

超絶喧嘩が強い新道依子が、ヤクザ組長の娘(内樹尚子)の送迎兼ボディガードをするようになる。そんな所から始まる物語です。

②鮮やかな戦闘描写

すごいな、とまず思ったのは戦闘描写。

とにかく主人公の新道が強くて、文章からその鮮やかな動きがありありと伝わってきます。

文字だけで戦闘を表現するのは、凄く難しいことだと思っています。

余分な文章を書き過ぎるとスピード感が無くなるし、淡白過ぎる表現だとリアリティが無くなります。

その点本書は、読んでいて血が熱くなるような躍動感があります。

③2人の「闘う女性」

ネタバレとまでは行きませんが、その示唆が出てきます。ご注意ください。


本書には闘う女性が2人出てきます。

喧嘩が強い「新道依子」とヤクザ組長の娘「内樹尚子」です。

全く別のベクトルで闘う彼女たちの姿、2人の関係がこの本の肝だと思っています。

「強い女性」が思う存分見れる本です。

④大きな仕掛け

今までの感想を読んで、「なるほど、バイオレンス的な爽快感もありながら人情も描いた作品なんだな」と思われた方がいるかもしれません。

それだけではないんです。

一個ものすごい大きいギミックが待ち受けていました。

内容は流石に書きませんが、最初に読んだ時は
「え?なに?どういうこと?⇨(数ページ前から読み直す)⇨え?え?」を何度か繰り返しました。

まさかこの類の本で、こういうギミックに遭遇するとは思っていなかったのでテンションが上がりました。

でもこういうギミックって、「ラスト5分、絶対に騙される」みたいな謳い文句が付いた映画みたいなもんだと思っていて。

それがあることを言った段階で、「あーどんでん返し的な何かがあるのね」というフィルターが付いてしまうというか。純粋な気持ちでは見れなくなる可能性が無くはないというか。

そう思ってるならなんで言ったんだ!って話なんですけど……。

どうしても書きたくなるくらい衝撃的だったんです……。ごめんなさい。

あ、でも知っていたとしても絶対楽しめるし、絶対に予想できないと思うので安心して読んでみてください。

それでは。

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