岡和田晃 (OKAWADA Akira)

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岡和田晃 (OKAWADA Akira)

公式サイト(https://akiraokawada.hatenablog.com/)。noteでは現代詩を発表します。第一詩集『掠れた曙光』(https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784883753772)で茨城文学賞詩部門を受賞。

最近の記事

「死角」#台日友達オープンマイク

死角 岡和田晃 ――ヘミングウェイの『老人と海』は征服者の文学である! 静かだが、確証に満ちた声で、そう告げたのは……。 台湾原住民・タオ族の作家、シャマン・ラポガンさんだった。 二〇一六年七月、植民地文化学会での光景である。 私は、そのときのコメンテーターだった。 ヘイターが「自虐史観」と罵倒してやまない、歴史への反省。 それを積極的に打ち出した研究者が集う場所にもかかわらず、 暫時(ざんじ)、困惑した空気が広がる。 『老人と海』といったら、年老いた漁師が、カジキマグ

    • 向井豊昭「チカパシ祭り」を読んで

         本稿は、岡和田晃が2023年度秋学期に東海大学文芸創作学科で開講した現代アイヌ文学/北海道文学論(日本語で書かれたアイヌ文学や「北海道」に関する文学を扱う内容、「文学精読」講義内)内で提出された期末レポートの最優秀作を、受講生当人の許諾を得て公開するものです。  対象作品の向井豊昭「チカパシ祭り」(1967)は幻戯書房のnoteで公開されています。 向井豊昭「チカパシ祭り」を読んで 小川直也  『チカパシ祭り』は作者である向井豊昭の、アイヌ民族と彼らが直面する問題

      • レノン=マッカートニー「宇宙のすべてに」試訳

        Across the Universe 宇宙のすべてに Lennon-McCartney レノン=マッカートニー Words are flowing out like endless rain into a paper cup 紙コップのなかに言葉が 終わらない雨のように滴り溢れて They slither wildly as they slip away across the universe それらは濁流となり 宇宙のすべてにしみわたってゆく Pools of sorr

        • オリジナル・ゲームポエム『シンとクジラの骨』

          ※本作は2023年4月30日配信の「FT新聞」No.3749で配信された作品です。 「私たちのコククジラがここに沈んだのは、冷たく静かで暗い海底に横たわって、"安らかに眠る"ためではない。死骸はこれから数十年も盛大に続く宴会の会場になるのだ。」 (ケイトリン・ドーティ 池田真紀子訳 新潮社 世界のすごいお葬式より) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ オリジナル・ゲームポエム「シンとクジラの骨」 作:渡邊愛 監修:岡和田晃、水波流 ━━━━━━

        「死角」#台日友達オープンマイク

          The Death of Democracy

          In response to the statement of Somaia Ramish and Nozomu Shibata, I have just written my first English poetry, a satire, in solidarity with the oppressed people. ■ The Death of Democracy Akira OKAWADA Indeed, Japanese people are truly sa

          オリジナル・ゲームポエム『檸檬』

          オリジナル・ゲームポエム『檸檬』 初出:「FT新聞」No.3235 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●  オリジナル・ゲームポエム『檸檬』  デザイン:あるかす 改訂:中村俊也、岡和田晃  プレイ人数:3人  Ver1.3 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 〈はじめに〉  本作は岡和田晃が東海大学文芸創作学科で開講しているゲームデザイン論の、2020年度秋学期の優秀作を、ゲームポエム紹介のパイオニアである中村俊也先生のご

          オリジナル・ゲームポエム『檸檬』

          詩人・田中さとみさんの特別講義&朗読

           2021年4月28日、東海大学文芸創作学科の岡和田晃の幻想文学・SF論の講義内で、詩人の田中さとみさんをゲスト講師としてお招きし、朗読と対談を行いました。Twitterに発表していたものを、以下に採録します。

          詩人・田中さとみさんの特別講義&朗読

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          形而上詩「崩れた微光」(「白亜紀」160号)

          形而上詩「崩れた微光」(「白亜紀」160号)

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          形而上詩「斧と逢引」(「白亜紀」158号)

          形而上詩「斧と逢引」(「白亜紀」158号)

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          形而上詩「ジェイムズ翁のトールテール」

          ¥100

          形而上詩「ジェイムズ翁のトールテール」

          ¥100
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          闇にたたずみ「風の音」を聞く――詩人・上林俊樹の再評価のために【付・著作リスト】

           本noteでは、「壘」や「白亜紀」に寄稿した現代詩を採録し、あるいはゲームポエムの実作を掲載していますが、狭義の現代詩とゲームポエムを架橋する記事として、「フラジャイル」9号には「ゲームポエムへのいざない」を寄せました。主に現代詩の読者へ向けた「ゲームポエム」そのものへのやさしい紹介文で、「現代詩手帖」2019年12月の拙稿「現代詩よ、大いに遊べ!」と照応する内容です。これに対して、「グラフ旭川」で言及があったほか、本邦におけるゲームポエム紹介の第一人者・中村俊也さんから応

          闇にたたずみ「風の音」を聞く――詩人・上林俊樹の再評価のために【付・著作リスト】

          オリジナル・ゲームポエム『殿、粗相でござる』

          オリジナル・ゲームポエム『殿、粗相でござる』 デザイン:出島将大、改訂:岡和田晃  Ver 1.2 ※2021年10月21日の「FT新聞」No.3193で、ゲームポエム『殿、粗相でござる』が配信されました。「FT新聞」はゲームブックの専門出版社・FT書房の日刊メールマガジンです。 ※FM湘南ナパサで2020年11月17日20:00-に放送された、東海大学広報メディア学科学生による生放送「こちらラジオ番組制作部」にて、遠隔授業で行われた本作の制作に関連した内容が放送され

          オリジナル・ゲームポエム『殿、粗相でござる』

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          形而上詩「レオポルドシュタットの亡失——表現主義なき時代の若き詩人に」(「壘」5号)

          形而上詩「レオポルドシュタットの亡失——表現主義なき時代の若き詩人に」(「壘」5号)

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          ルイーズ・グリュック「バイカウツギ」試訳

          ルイーズ・グリュック バイカウツギ 月の光じゃない、教えてあげる。 その花々が 庭で輝いているだけ。 花なんて大嫌い。 バイカウツギなんて大嫌い、わたしが性(セックス)を、 その人間(おとこ)の口が わたしの口を塞ぐ、その人間(おとこ)の カチコチになった身体(あそこ)を嫌いなように―― いつも届かない叫び、 低調で、辱めるような 結合の前戯―― 精神(こころ)のうちで、今宵、 問いが投げかけられ、答えを追い求め それが一つの音色に溶け合わされて のしかかり、またの

          ルイーズ・グリュック「バイカウツギ」試訳

          形而上詩「世界の起源の泉」(「白亜紀」157号)

          形而上詩「世界の起源の泉」(「白亜紀」157号)

          形而上詩「ジェスターの鼻」(「茨城の文化」55号)

          ジェスターの鼻  岡和田晃 アヤメ科の植物のひとつにジャーマン・アイリスという花がありました リンネ以降の分類学(タクソノミー)からすると そうありてあるのですが 彼女は華でありながら 原-植物としての茎根(リゾーム)を持ち オルフェウスの聲を聞くことができ しゅえる、しゅうええると 日輪と驟雨を摩滅させて 生まれ出る血のごとき虹に 自らのおぞましき願いを投影し 自己の内に眠るおびただしい邪悪を 渾沌とした虚脱感のうちで かろやかに胚胎していたのでした

          ¥100

          形而上詩「ジェスターの鼻」(「茨城の文化」55号)

          ¥100