青春の賞味期限
いいなあ、青春だなあ。
大学生になってから、制服を着た中高生が
キラキラして見えるようになった。
羨ましいな、戻りたいなって思うことが増えた。
あの頃の私は多分、とんでもなく青春していたから。
でも、『青春』ってなんだろう。
怒られないギリギリの長さまでスカート短くしたり。
「部活だる〜」なんて言いながら、引退のときは大号泣してたり。
クラスで円陣組んで、行事に全力で打ち込んだり。
修学旅行で消灯時間を破って夜中までおしゃべりしたり。
そんな日々を思い出すたびに、私は懐かさと愛おしさで胸が締め付けられる。
だって、今は些細な日常ですら私の身には起こらないことがたくさんあったから。
席替えでワクワクすることもなければ、
遅刻するー!って全力ダッシュすることもない。
大学生って本当に自由だ。
サボろうと思えばいくらでもサボれる授業。
遅刻しても怒られないし、課題忘れても補修はない(単位がとれるかは別問題)(私の学部はゆるゆるだったんです、不快な思いをされたらごめんなさい)。
免許を取れば、移動範囲が広がる。
自分の行動次第で、交友関係もかなり広がる。
アルバイトを始めるのもやめるのも自由。
私もコロナ前は島おこしに行ったり、色々なところに旅行に行ったり、友達に友達を紹介してもらったり、たくさん楽しんだ。
でも、なんだか物足りないなって思うときがあった。
こんなに楽しくて自由なのになんでだろう?
私にはなんとなく思い当たることがある。
多分、自由すぎるのだ。
大学生って良い意味で選択肢が広い。そして、いわゆる「似たもの同士」が集まる場であると思う。
学部も部活もサークルも、ある程度は好きなものを選んでいるだろうし、嫌になればやめることも簡単だ。高校までの部活みたいに、退部届と親のハンコなんていらない。
だから、当たり前のように楽しい。
でも、高校生までを振り返ると、どうだっただろう。
得意なことも違う、好きなことも違う、多少の貧富の差も、生まれ育ってきた環境も、全然違う。
そんな人たちが集まってきて、クラスが形成される。
ド文系でも、ある程度は数学を勉強しなければいけない。
いくら運動が苦手でも、体育祭に参加しないといけない。
嫌いな給食も、できるだけ残さず食べないといけない。
中学校は特に、制約が多い。本当に色々な人たちがいる。
問題も起こりやすいし、全員と仲良くなるってことが難しい。
教師側から聞いた話では、難しいからこそやりがいを感じるらしい。
ルールがある中で、いかに楽しむか。
難しい環境の中で、どのように生活するのか。
今ならわかる。あのお祭りみたいな毎日が、私にとって、まさに『青春』だったのだ。
話は変わるが、先に社会に出た先輩から
「学生のうちに楽しんどけー」なんて言われることが多々あるが、社会人は楽しくないの?ってたまに思ってしまう。
もちろん私はまだ『働く』ということを経験していないし、生ぬるい生活を送っている。
でも、仕事辛いなって毎日思うのは絶対に嫌だ。
仕事楽しみ!とまではいかなくても、
「月曜日か、また1週間頑張ろう」くらいの
気持ちは持てるようになりたい。
そもそも楽しいって受け身じゃダメなんだよきっと。
自分なりの楽しみ方を見つけないと。
楽しんでやる!って気持ちをもたないと。
コピーとかデータ入力とかつまらない単純作業でも、
「今日は昨日より5分早く終わらせるぞ!終わったらハーゲンダッツだ!」
って自分の心で小さな目標を立てる。
会議でうまく発言ができなくても、なかなか成果が出なくても、誰よりも大きな声で挨拶をすることを心がける。自分の活気を奮い立たせるため、そして、仲間と共に頑張る気持ちを起こさせるため。
仕事が終わったら、色々な人とご飯に行ってみるのもいい。自分にはなかった新しい考えに新鮮さを感じられるかも。新たな知見を手に入れられるかも。
そんな小さなポジディブ思考を積み重ねた毎日を過ごしていけば、中高大にはなかった充実感が得られるときがくるんじゃないかって信じている。
高校生までの甘酸っぱくて、美味しくて癖になる青春は難しいかもしれない。
でも、社会人になったって、楽しいことも、涙が溢れるほどの感動体験も、素敵な人たちとの出会いも、きっと
見つけられるよね?
だって、青春に賞味期限はないんだから。
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