「暮らしの知恵」では夏の不快さには耐えられない③

断熱性能を上げると・・・

夏の不快さを取り除くためには「断熱」が効果的ですがそれと同じくらい「日射遮蔽(日差しを窓を通して家の中に取り込まないための工夫)」が大切です。これは断熱性能を上げるほど重要になります。
断熱性能を上げると外からの熱は入り難くなりますが、それと同時に室内の熱が外に逃げ難くなるからです。

高断熱化した住宅に安易に日差しを取り込んでしまうと普通の家よりもさらに暑い家になってしまいます。

つまり、断熱性能を上げることは日射を遮蔽する事とセットで考えなければならないのです。特に太陽の高さが低くなる朝や夕方に多くの日差しを受ける「東面」と「西面」は注意が必要です。

南面に関しては、太陽が高い位置にあるので長い庇や軒である程度日射を遮る事ができます。それができない場合は、ホームセンターで購入できるサンシェードやすだれを設置するとローコストで効果を発揮します。
カーテンやブラインドのような屋内での日射対策だと一度窓を通って熱が入ってきてしまうので、日射は屋外で遮るのが基本です。

最も難しいのは角度の低い西日対策です。西日は屋内に入り易い上に、夕方になるとさらに家の奥の方まで深く入り込んできます。
これは軒や庇で遮る事ができないので、先に紹介したサンシェード・すだれなどで遮るしかありません。西側に庭がある家では、樹木を植えて遮るのもひとつです。
これから新築を計画するなら西側には極力窓を設けないことが理想ですが、どうしても必要な場合は窓ガラスに金属塗膜を施したLow-Eガラスを使用した遮熱型のサッシを積極的に使用するのが必須になります。しかし、遮熱型のサッシでも遮られる熱量はせいぜい半分程度なので、外側で日差しを遮る工夫は積極的に取り入れる必要があります。

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