冷房の気流が不快に感じない家とは?
エアコンが嫌にならない家はつくれる
近年の気候変動による気温上昇が原因で、エアコン冷房無しに夏を過ごすのは不可能と言っても過言ではありません。熱帯夜が続く地域では夜間であってもエアコンが欠かせません。
しかし、エアコン冷房が苦手な人は多いです。特に女性のからだは冷えに敏感なので、冷房をできるだけ抑えたいという方が多いように感じます。
エアコン冷房の不快感の一番の理由は、冷風がからだに当たる事です。この風が体に当たる時間・風量が軽減されると不快感は大幅に改善されます。
それにはエアコンの運転時間を短くするのが効果的です。
断熱性能・日射対策が十分行われている冷房の効きが良い建物であれば次のように変わります。
1:運転を停止している時間が増える
2:弱運転で済む時間が増える
その結果、冷風で不快に感じる時間は大幅に減らすことができます。
エアコン冷房は、壁掛けのエアコンが一般的で、風の吹き出し口が室内に向いています。そのため、冷風がからだに当たりやすい構造になっています。
そんな構造も工夫を凝らす事で様々な改善が可能です。
一番取り組みやすいのは「取付位置」です。リビングであればソファの位置に冷風が来ないように、寝室であればベッドの位置に冷風が来ないように配置する工夫で冷風の感じ方は大きく変わります。
換気システムと冷暖房を組み合わせた「全館空調システム」は吹き出し口が様々な箇所に分岐するため、壁掛けエアコン冷房よりも不快感が少ないのですが「設置費用」「運転費用」共に高くつきます。
それに対して設置も運転もローコストで済む壁掛けエアコンをうまく活用した空調形式も実践されていますが、断熱性能・冷暖房・換気等について適切な知見を持ったごくごく一部の設計事務所・工務店でしか効果が出ていないのが現状です。
まずは冷暖房方式についてあれこれ考えるよりも「そもそもの冷暖房の使用時間を減らせる断熱性能・日射対策がしっかりとした家づくり」が優先です。私たちは「○○機能がついたエアコン!」など目新しいものに目移りしがちですが、断熱などの「弱点の補強」にお金を掛ける方が長い目でみると負担の少ない暮らしに繋がります。
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