オリカワハツセ

考えたり書いたりしてます。

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    1行も書けなかったぼくが1時間2300文字書けるようになった3つの理由。

    真っ白なテキスト入力画面を前に、地蔵のように固まる。 何度かキーボードを叩いては、「なにかが違う」とBackSpaceキーを連打する。二歩進んで三歩下がる。そんな苦悩の痕跡はどこにも残ることなく、目の前の画面は真っ白なまま。今日もまた、1行すら書くことができなかった。 これが、一週間前までのぼくだ。 noteへ最後に作品をアップしたのは、半年前の一度きり。それすらも一年半ぶりの投稿だった。これまでの怠惰な自分に別れを告げるべく、過去の投稿の一切を削除して(これも良くなか

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      • 左利きのアナタ。

        「私はアナタが好き」  今日も私は、そうやってアナタに右手を差し出す。  左利きのアナタが好き。こちらが右の手を掲げると、同じように左の手を返してくれるアナタが好き。指先がそっと触れる。少しひんやりとした感触がする。そんなときいつも、薄い膜のようなものが私とアナタの間にあると感じる。そんな瞬間は嫌い。  私と似ているのに、どこか違うアナタが好き。何も言わずとも、アナタのことはわかっている。そう実感できるひとときが好き。けれどもときどき、まったくアナタがわからなくなる瞬間が

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        • 焼けないパン屋と焼けるパン屋。

          「「いらっしゃいませ」」  とある商店街に、二軒のパン屋があった。  二つの店は通りをはさんで、ちょうど向かい合わせの位置にあった。さほど大きくもない商店街に二つのパン屋。当然のように両者はライバル関係にあった。  開店した時期はほぼ同時だった。それぞれ喫茶店と和菓子店の居抜きで作られた店は、オープン当初からライバル意識をむき出しにし、あれこれと競い始めた。  初めは互いの真似を繰り返すばかりだった。相手がすることで少しでも良さそうなものがあればすぐにコピーし、自分なりに改良

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          • がんばれボタンが欲しい。

            「差し上げましょう」  突然あらわれた男が、そう言った。 「何のことだ?」  訝しげにそう返すと、男は「いまおっしゃったでしょう?」と続ける。 「押すだけで気力が湧いてくる、そんな魔法のようなボタンが欲しいと」  まったく記憶にない。似たようなことはいつも考えているが。  この暑さだ。ぼぅとして、無意識に思考が漏れ出たのだろう。 「こちらです」  男は小さなボタンを取り出した。 「押してみてください」  言われるまま、ボタンを押す。 『がんばれ!』  女性の声が再生された。

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            • 旅の神様は11人いる。

               旅をすると、11人の神様と出会える。  寸景の神様は、カメラを持っている旅人が出会える。息を呑むような絶景や目を惹くオブジェだけがシャッターチャンスとは限らない。その土地土地で営まれる何気ない、でもかけがえのない日常の一コマ。そんなスナップショットのほうが永く、深く心に残る。最近はインスタ映えとやらが流行っているらしい。けれど、寸景の神様には誰も気づかない。  礼遇の神様は、謙虚な旅人が出会える。その土地にお邪魔させてもらっているという心持ちは、相手にも伝わる。人は写し

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              • 女子減点してもいい試験。

                「ねえ、ちょっと聞いてよ」  遅れてやってきた女は、額に浮かぶ汗を拭うこともなくテーブルに座るなり口を開いた。 「何よ。また彼氏にフラれたの?」  未開封のおしぼりを手渡しながら、対面に座る女性が尋ねる。 「なんでいつも私がフラれてるみたいになっているのよ」 「違うの?」 「フラせてあげているのよ。ちっぽけな男のプライドを守るためにね」 「そうやって、あなたもなけなしのプライドを守っている、と」 「わかってるなら、はっきりと言わないでもらえないかなあ」 「根が正直なもので」

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                • ペットボトルで部屋を涼しくする方法。

                  「乱暴狼藉を働こうなんて、考えないことね」  とあるワンルームマンションに集められた男たちの前で、部屋の主である女はそう宣言した。七夕の一週間前のことだった。 「このマンションはセキュリティがしっかりしているの。呼べばすぐに警備員が駆けつけてくれる」  エントランスで睨みを利かせていた大男を思い浮かべる彼ら。困ったように苦笑いを浮かべるもの、小さく舌打ちするもの、なんの表情の変化も見れられないもの。その反応は様々だった。 「それで? なぜ僕たちをここに?」  中央に座る男が微

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                  • オリンピックしね。

                     オリンピックなんて嫌いだ。  子供の頃から運動が苦手だった。体育の授業や運動会が嫌で嫌で仕方なかった。運動ができる子が人気者になる原因の一つ、そして私の黒歴史の元凶が、オリンピックなのだ。  次はこの国でオリンピックが開かれるらしいけれど、ニュースで目にするのは予算が足りないだの競技会場が決まらないだの、マイナスなものばかり。政治に利用されてるなんて話も聞く。  選手たちはどんな気持ちなのだろうか。周囲の思惑にさんざん振り回されて、期待と声援という名の過剰なプレーシャーを

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