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届くもの、届かなかったもの 

ワールドカップまっただ中です。
グループステージを終え、各国チームの戦いはさらにヒートアップ。思わぬジャイアントキリングや番狂わせがあったり、素晴らしいプレーに感動したりと、ますます目が離せません。

さて、我らが日本代表はグループステージ第2節のコスタリカ戦では攻守が噛み合わず、まさかの敗戦。ノックアウトステージ進出に黄色信号が灯りました。

そして迎えた運命のスペイン戦。
勝ち点差や得失点差を考えるのではなく、とにかく勝つのみ。願いはひとつでした。


現地には多くの日本人サポーターが集い、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)名誉総裁の高円宮妃久子さまも、スペイン戦を観戦されたそうです。

色鮮やかなサムライブルーのお召し物と青いネイル、よく見るとキーパー柄のマスクも。まさに日本代表一色で、こちらまで嬉しくなります。


今大会わたしが注目している日本選手は、前田大然(まえだ だいぜん)選手です。前田選手については、こちらをどうぞ。

前田選手はドイツ戦以来のスタメンでの出場。コスタリカ戦の悔しさを力に変えて、思いきりプレーしてほしい。

しかしながら、相手はやはり強豪スペイン、立ち上がりに先制を許してしまいます。その後も苦しい展開が続きましたが、前田選手はピッチを駆けまわり、献身的なプレーをしていました。

そして後半早々に、日本にチャンスが訪れました。

同点弾となった堂安選手の豪快なゴールは、前田大然選手や伊東純也選手たちの、相手への執拗で猛烈なプレスにより生まれたものだと思います。


そして世界をあっと驚かせた、あのシーン。

ペナルティーエリア内右から堂安選手がグラウンダーのクロスを送ると、大外にいた三笘薫選手が折り返し、田中碧選手が押し込みゴールを決めました。

三笘選手の折り返しはVAR(Video Assistant Referee・ビデオ・アシスタント・レフェリー)によりインプレーと判定され、ゴールは認められました。

三笘選手の最後の1ミリまで諦めない、強い気持ち。そしてゴールを決めたのは、三笘選手と子どもの頃からずっと切磋琢磨してきた、元チームメイトの田中選手。運命的で、奇跡のプレーでした。


しかしながら、わたしは何度も流れるあの映像を見るたびに、やるせない気持ちになります。

前田選手の足が、届かなかったから。

スポーツは結果がすべてです。

折り返しだったのか、シュートだったのか。
届いたとしても、シュートを狙うコースは限りなく狭かったと思います。それに、ゴールになる確率はどれだけあったのか、素人には知る由もありません。

でも、このときゴールの一番近くにいたのは前田選手で、ボールにあと一歩届かず空を切る左足を見るたびに、胸がぎゅっと苦しくなります。

届くもの、届かなかったもの。
その差はほんの僅かだけど、残酷なほど大きい。

結果的にこのゴールが決勝点になって、日本代表はノックアウトステージへ進出することになり、日本代表の運命を、そして選手たちの運命を変える重要な局面になりました。


その後も献身的なプレーを続けた前田選手は、後半17分で交代。ピッチを後にする際の表情が印象的でした。怒ったような、厳しい表情をしていて。

何を思っているのだろう。
できるならいつか、その胸のうちを聞いてみたいです。

チームに貢献していた前田選手。
よくやった、お疲れさまという気持ちと、でも悔しかったよね、まだまだそんなものじゃない、もっといけるという気持ちがあります。

クロアチア戦でもピッチを駆けまわり、まわりをあっと驚かせ、そしてゴールを決める姿を見せてほしい。


いよいよノックアウトステージへ進む日本代表チーム。これまでチームが果たせなかったベスト8という新しい景色は、手の届くところまできています。

こころをひとつに。これからも応援しています。
もっと行こう、もっと行こう。


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