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【業務日誌】昨年の今頃は。

農家さんなら経験している方も少なくないと思いますが、昨日、スマホを畑で紛失するという事件が起きました。LAMPの”隊長”こと村上計太さんが一緒に探してくれたので何とか見つかりましたが、そういえばLAMPに所属していた昨年の今頃は、隊長といろいろ議論していたなあ…とふと思い出したので、当時のFaceBookを見返してみました。
昨年の今頃は何があったかというと、まず第一回目の緊急事態宣言が発令され、事務所が変わり、LAMPマネージャー菅原久美子さんの産休明けが翌月に控えていたということ。今回の日誌は、当時…二人で管理する畑が1町歩を超え、どうやって管理していこうかと畑で話し合った記録を記します。

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2021年5月19日 
名前でりんご農家をアピールしようと思ったら、あっちのスタッフみたいになってしまった吉田です。ちなみにマッキントッシュは栽培してません。
※この投稿より、名前を”Tsukasa Apple Yoshida”に変えています。


さて、今日の陸前高田は5月に入って初めての「雨らしい雨」が朝からずっと降り続いており、私も久々の事務作業に精を出しております。私が猫のようになついている農業改良普及センターの阿部さん(21年4月より奥州のい普及センターへ異動になりました)も「恵みの雨じゃね?」的なことをおっしゃっていました。りんごだけではなく、高田の農作物の豊作と三陸の海産物の大漁をこんなに願う年もありません。機会の損失を防ぐべく、広報チームは急ピッチでオンライン内の整備を行っております。

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【畑チームはどうする?】
コロナウィルスの影響により、3月の作業スケジュールやイベント開催は大幅に狂い、そこからWeb絵本「いち、に、さん、し、りんご♬」の作成とYouTube、絵本ひろばへのUP、ユニクロで米崎りんごグッズの販売などを仕掛け、おかげさまでメディアにも取り上げていただきました。例年にも増して米崎りんごの期待値が上がり、糠塚沢、糠塚沢第二、和野、西風道、樋ノ口計5カ所(これは陸前高田市米崎町民しかわかんないね笑)の畑を管理している私と”隊長”こと村上君のプレッシャーは上がりまくりです。
 話を少し遡ります。GW中はスタッフ総出で花摘みから受粉作業を行ったのですが(もちろん畑でもソーシャルディスタンス!)、その際に産休中の久美子さんが何気なく言った一言がずっと頭を離れませんでした。
「この時期(春先)のりんごの木に、とにかく手をかけることをLAMPのスタイルにしてみたら?」
正直、GWの代休をいつとろうか?ということと、疲れたな~暑いなあ~しか頭になかったので、その時はよく考えていませんでしたが、ずっと頭に残っていたのは確か。

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【地域から信頼と共感を得るには?】
一昨年までは正直なところ、剪定と植樹が終わって休み、受粉が終わっては休み…というスケジュールでした。それが昨年、「摘蕾」という作業を行ったところ、例年より摘果が早く終わり、かつりんごの質も向上。売上は前年対比約140%を記録し、手ごたえも上々。そこから春作業と摘果についての考え方を隊長と徹底的に議論をしました。これは他のりんご農家さんに笑われると思いますが、受粉をしたあとは、実がある程度の大きさになるまで摘果をしていなかった時期が確かにありました。休んでいたんです。ここを改め、受粉前は摘蕾、受粉後は腋芽、頂芽を取る摘花をすぐ行い「高田のりんご農家で一番早く摘果を終わらせる」という目標を立てました。できるだけミクロデナポン(摘果剤)に頼らず。

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【私と隊長が出した答え】
どんなに立派な構想や思いがあったとしても、結果を数字で表さなければ斜に構えられるのは当然のこと。毎年いろんな試行錯誤を行っていますが、これからはシンプルに「米崎りんごNo.1農家」を目指そうと。畑作業の速さ、質、味、オンライン。面積で劣っても勝てる仕組みをつくること。地域から信頼と共感を得るには、圧倒的な結果を出すしかないな、という思いを共有しました。コロナとの共存がほぼ確定した今、先人の想いを受け継ぎ、進化させていく。米崎りんごはもっと面白くなります。久々の雨の日。事務所で情熱が止まらない吉田でした。
ちなみにマッキントッシュは「旭(あさひ)」という品種のりんごです。
現場からは以上でーす。

…という投稿でした。結局、高田のりんご農家で一番早く摘果を終わらせるという目標は叶いませんでしたが(よく考えたら栽培面積というものが農家さんでピンキリ)、「結果を数字で表さなければ意味ない」「シンプルにNO.1農家」「面積で劣っても勝てる仕組み」「信頼と共感を得る」「ウィルスとの共存がほぼ確定」というワードが出てきたことは隊長との議論で学んだことで、今思うとこの時に構築されたのかなあと考えます。ぼくの考え方の支柱みたいなもの、って。

季節47

この投稿のあと、当時産休の久美子さんより「焦らず慌てず1つを丁寧に。頼られる農家No.1かな」というコメントをいただきました。たぶん、ぼくが一生持ち歩いていく言葉たちの一つになるでしょうね。

それでは素敵な1日をお過ごしください。
イドバダアップル 吉田司でした。


クラウドファンディングの記録
https://camp-fire.jp/projects/view/407030

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