見出し画像

「密室ロジック」を読んで(論理的な解明が好きな人向け)

殺人事件が起きます。
論理のみで犯人を推理します。

犯人がAの場合、犯人がBの場合、もしくは犯人がAとBの共同の場合等、犯人となるパターンを列挙し、一つずつ犯行が加納であるかを論理的に検証します。動機の推測はありません。物的証拠の探索もありません。ただ論理的の検証した結果、犯人となる可能性は誰某だと帰結して、この本は終わります。本当に論理パズルの解き方を説明するような小説です。

例えば、ある登場人物Xが犯人の場合には、逃走ルートの可能性はABCの3通りあります。Aルートの場合には、確固たる目撃者がいるので成立しない。次にBルートの場合、Xはさらに、右か左に逃走する分岐があります。では、XがBルートで右の場合には、工事により通行止めとなっていたため成立しない。XがBルートで左の場合は・・・・ とこんな風に展開されていき、論理矛盾が生じない唯一の可能性をもって犯人を推理します。

氷川透シリーズは、すべて、このようにあらゆるパターンを列挙して、論理的に成立するかどうかを検証していく小説です。この作品は、4作目ですが、動機の説明が一切なかったのは初めてです。

面白いかどうかでいえば、僕は面白いと思っています。毎回、「こんな可能性が想定できるのか」と感心していました。直感的にありえないと思っていても、可能性の一つとして提示し、成立しないことを論理的に説明する。このあらゆるパターンを列挙し、真面目に検証していくスタイルが非常に面白いと感じています。論理推理に興味がある方にはお勧めです。

12/5読了 作者:氷川透 出版社:講談社 タイトル:論理ロジック

この記事が参加している募集

#読書感想文

188,902件