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自宅の駐車場で、バイク屋はじめました。

はじめまして。アルル制作所の岩永と申します。普段は、webマーケティングのお仕事と職業訓練の講師をやっています。

わたしは、45歳という年齢の焦りで、次の職業を模索していました。

時代の流れが早いウェブ業界で、年齢がネックになると容易に想像できるからです。
講師業も、自分がプレイヤーとして仕事をしているからこそ、わたしにしかできない教え方ができるのだと思っています。

このnoteの内容

このnoteでは、バイク販売に、仕事の解を見出した軌跡を書いています。職業柄、マーケティング思考が好きなので、ウェブ集客の仕組みについても解説しています。

  • 副業でバイク屋をはじめたきっかけ

  • SEO / SNSを活用した集客の仕組み

  • どういう仕組みでバイクが売れるのか?


では、本編スタートです。

第1章 副業でバイク屋をはじめたきっかけ

ツーリングに出かけるメンバー

バイク屋を始めたきっかけは、わたしの大学時代まで遡ります。

大学に入ってすぐに、バイク免許を取り、一人でツーリングに行くのも退屈だなと考えて、バイクサークルを立ち上げました。

みんなとツーリングに出かけたり、キャンプに行ったり、小さなバイク(NSR50、NSR80、NS50F)をいじってサーキットで遊んだりしていました。

妻もバイク好きでした

当時、彼女だった妻のために、大学の駐輪場に置きっぱなしにしてあったギア付き50ccバイクを3万円で買って、整備して、乗ってもらいました。

結婚から9年

十数年ぶりに、バイクに乗って、のんびりツーリングにでも行きたいなあと思い、ヤフオクで大型バイクをぽちり。

子供たちは、新しいおもちゃが来た、と大喜び。

息子もバイクにお熱
娘もお熱が出始める
二人とも、高熱に。
大きくなってもまだ熱が冷めない
娘はバイクで旅に出るのが大好き。
いつの間にか息子も成長して
息子(16)も免許を取ってバイクGET。前オーナーさんとの2ショット

バイクのおかげで、素敵な時間を過ごしてきました。

2020年10月 サイト立ち上げ

とある日、阿蘇ツーリングへ出かけました。
たまたま通りがかったバイク屋さんに並んでいた旧車『ホンダCB90』に一目惚れ(それほどホンダの旧車が大好き)
すぐにバイクショップに立ち寄って、お話を聞きました。すると、オーナーさんが修理しようと思っていたけど忙しくて未整備なんです。エンジンかかりませんよ、とのことでした。

整備するのは、大学時代にやってきたので、全然大丈夫。

帰って、妻に「ほしいものがあるの。」と相談したところ、妻から重要書類をもらいました。


後日、バイクショップへ行って、正式に購入を申し込みました。
「頑張って仕上げてね。」とバイクショップオーナーから安く譲ってもらうことに。納車は2日後♪


で、契約した帰りに自分のバイクで事故って救急車で運ばれました(笑

事故った次の日、「オールドピストン」というサイトのドメインを取得し、旧車バイクを紹介するバイクサイトを立ち上げました。

転んだら立ち上がる。

旧車バイクの整備・パーツ情報って、個人ブログとかに掲載されているのですが、長く続くサイトは少ないです。ほとんど、閉鎖しちゃって。

だから、そういう情報をまとめていこうという気持ちで作りました。


納車されたCB90

CB90修理をしながら、コンテンツを追加していきました。出来上がったページがこちら↓


2022年4月 バイク販売開始

個人事業主として、屋号オールドピストン - (125cc以下の旧車バイク専門のバイク販売) を始めました。


バイク屋を始めた理由

昔のバイクは、結構な台数が生産されていたにも関わらず、現存台数が非常に少ないのです。

ホンダ MB50(1979年発売)

例えば、1979年に発売されたMB50というバイクは、大手バイクサイトの中古車在庫掲載が10年間ずっと0台です。


https://moto.webike.net/HONDA/0_50/MB50/summary/

1979年当時のホンダMB50のリリース情報を見ると、年間8万台を生産予定と書いてあります。

国内向より立上り、輸出向を含めた本格稼動時には年産80,000台を予 定している。

ホンダ MB50リリース

このMB50は、1979年発売のバイクで、わたし(46歳)が3歳の頃に発売されました。

59歳の方が高校生16歳の頃に発売されて、5年ほど市場に出回っていたと思われます。
50代半ばくらいの方が「よく見かけた。友だちが持っていた」などと懐かしんでお話ししてくれます。
だから、それほど古いとは思えないのですが、販売されていないわけです。
年間8万台も売ってたのに、みんなどこに行ったのか・・・。

これでは、懐かしんでもう一度乗りたいと思っても手に入れることも困難です。
なので、当時のバイクを修理(レストア)して販売しようと思ったのです。

修理したバイクの例

実は、さきほど紹介したMB50を仕入れて、修理して、販売しました。

できるだけ、昔のオリジナルに近づけるように仕上げましたので、どんな作業をしたのか少し紹介させてください。

燃料タンク補修

タンクは錆びやすく綺麗な個体が1つも見つかりません

タンクはサビて穴が空いていたので、バイク加工専門業者さんにタンクを持って行ってロウ付けという加工で修理してもらいました。その後コーティング。

外装塗装

フレームを塗装します
販売当時の姿を目指します

当時のボディカラーは販売されていないので、後継バイクの純正カラーから、近い色をチョイスしてペイントしました。

ホイール・タイヤ・その他

きっと昔はピカピカのバイクが走っていたんでしょうね

マフラー洗浄したり。タイヤやチェーン・スプロケット等も新品に。

純正オリジナルに近づけて、できる限り、新車のように仕上げるよう心がけました。

第2章 SEO / SNSを活用した集客の仕組み

副業でバイク屋を始めて、いくら儲かるか?という質問にお答えすると、1台修理すると、10万程度の利益が見込めます。

2022年4月から9月までに
・仕入れた台数 7台
・販売した台数 5台

今のところ、修理さえすれば、売れています。

販売の仕組み

市場調査

需要のあるバイクを知るために、キーワードボリュームを調べました。SEO以外でキーワードボリュームを調べたのは初めてかもしれません。

需要の高いバイクを仕入れて売れば、楽に儲かりますね。ただ、今のところ個人的に好きなバイクをいじりたい欲求が高くて、好きなバイクを仕入れています。

ヤフオクの相場を調べる

販売価格を決める

修理にかかった費用を記録して、10万円以上の利益が出るように売価を算出しました。

修理にかかった費用から売値を算出

物流の仕組み

販売の流れ

①不動バイクをヤフオクから仕入れる。

②ピカピカにして、サイトで売る。

配送は、ドアtoドア(自宅からお客さん宅へ)で陸送を依頼してお客さんから陸送費用をいただきます。


マーケティングの視点から

ざっくりと、web集客から購入までの流れを手書きしてみました。

SEO

車種名が、メインキーワードです。

これまで仕入れたバイクの検索順位
cb90 9位
mb50 5位
ヤマハ a7 6位
RD90 10位

仕入れたバイクの整備をして、コンテンツを足して、検索順位を上げる という手法を取っています。

車種名の軸と、もうひとつはバイク整備キーワード(例:マフラー 洗浄)を作っています。
どちらのキーワードも、順位はそこそこ上位獲得できるので、サイト全体のアクセスを伸ばそうと思ったら伸ばせます。(リソース不足で無理ですが)

2022/8/16時点
2022/9/14時点

インスタ・Facebook

インスタ投稿
Facebook投稿

旧車バイクは、インスタやFacebookとの相性は、非常によいです。特にインスタでは、投稿への反応が多いです。フォロワー数関係なしに、集客できます。
Facebook広告・インスタ広告も同様で、インプレッション単価が安く、SNS集客方法はありだと思います。

テスト的に、広告を1万円打ってみた平均データ
Facebook/Instagramのエンゲージメント単価4.58円
Instagramのウェブサイトのタップ数 6.6円

Webサイト

① 販売ページ

修理した内容を写真付きで紹介して、購入時の不安を取り除くようにしました。

販売ページでは、カートは設置していません。買い物かごボタンの代わりに、LINE問い合わせボタンを設置。

LINE登録してもらい、購入前の相談や質問などを受け付けます。

実際には、お客さんと雑談して、奥様にバイク購入の許しを乞うご主人に勇気を与えています。ビジネスライクに言うと、マンツーマンでのクロージングです。

② バイク整備コンテンツ

・集客
・お客さんとの信頼関係を築く(ナーチャリングの一種)
・自分の備忘録
のために、バイク整備記録をコンテンツにしています。


販売価格の決め方

たまたま熊本で、お知り合いから、バイクを買取しました。「ヤフオクで売れば高く売れますよ。」とおすすめしましたが、「知らない人に売るのは怖い」と言われました。

別の、バイクを買ってくれたお客さんからも「ヤフオクで買うのは怖い」とおっしゃっていました。

ヤフオクで売られている実働バイクを売り相場として認識していましたが、「ヤフオクを使わない層」は、「バイクショップが販売している価格」が相場なのだと分かったのです。

オールドピストンの店舗はなく、整備場所は、自宅駐車場。

第3章 旧車バイクを買う理由

旧車(自動車のほう)を扱っている斎藤商会さんの動画(最初から5分くらいまで)を観ると、旧車バイクを買う心情がよーく分かります。

旧車がかっこいいから、買う っていうよりも、青春に戻れるから買うんです。

オールドピストンを開業して、これまで売ったバイクは、4台。在庫が2台。年式はこんな感じ↓

A-7(1968年製)販売済
CB90(1971年製)販売済
MB50(1979年製)販売済
RD90(1974年製)販売済
GT50(1979年製)整備中
RD50(1973年製)整備中

LINE公式アカウントでお客さんとやりとりするので分かるのですが、お客さんの年齢は、50代半ばがほとんど。

55歳の人が16歳だったのは、2022-55+16=1983年。今から39年前。
お客さんが16歳だった頃に走っていたバイクが売れるんです。

SNSへのコメント

Facebook・Instagramでも、1979年製のMB50への反応が高くて、「懐かしい」「昔乗っていた」「友達が乗っていた」「当時、欲しかった」などのコメントをもらいました。

バイク販売を始めたばかりの頃には、「当時に戻れる」という購買理由に全く気づかずに、旧車バイクは、古ければ古いほど価値が高くなるだろう と思って古いバイクばかり探していました。

この重大な事実を知った今は、お客さんの懐かしい時代を逆計算して仕入れようと思っています。

あとがき

webのお仕事は、4年を目処に区切りをつけよう。そう決めたら、気持ちが落ち着きました。

仕事だけが人生じゃないですから。

今は、バイクを整備する時間を見つけながら、1台1台丁寧に仕上げて、

あの懐かしいバイクをもう一度

と願う人たちに、青春を届けます。

10年後には、大学時代に乗っていたバイクを整備して、またツーリングに出かけようと思います。


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マーケティングの仕事

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