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【史料訳】ユトレヒト同盟 Unie van Utrecht 1579

著作権について

この場合の「史料」は17世紀当時の書籍や手紙の現物ではなく、おもに19世紀に編集・活字化・翻訳されたものを指します。
したがって、既に原著、編集・翻訳書とも著作権の切れているものです。概ね原著者死去から95年以内の、著作権保護下にある可能性のあるものは掲載していません。
Google Booksや各国公文書館等でパブリック・ドメインとして公開されているものから、機械訳をベースに、文書整形・訳語統一・専門用語への置き換え等を行いました。

<前文>は公開、<第一条>から<第二十六条>、<第十三条の説明>が有料となります。

また、<第十三条>のみ、『世界史史料<5>ヨーロッパ世界の成立と膨張―17世紀まで』の > 第4章 主権国家への道―16・17世紀 > 第3節 スイス・オランダ―地域連合から独立国家へ > 184 オランダの独立(十六世紀後半) で日本語訳が出版されています。

リファレンス

ユトレヒト同盟

<前文>
 これらすべての低地諸州がスペイン・諸外国・この国の支持者の影響から生命と財産を互いに保護すると約束したヘントの和平以降、アウストリア公ドン・ファン・および多くの指導者および将軍たち同様にスペイン人たちが、これら諸州に完全にあるいは部分的に、専制政治のもと服従や隷属を求めてきた、そして今も求めていることは明らかである。策略をもって、同様に軍事力をもって彼らは国土を分割・分離させ、和平の際に設立した同盟を法的無効として転覆させようとしており、そうなれば諸国や諸州は最終的に破滅・破壊されてしまうであろう。実際、最近彼らが書簡によって幾つかの都市や地方に協同を懇願したこと、他者すなわちヘルデルラント公国を攻撃し脅かしたことは知られている。そのため、ヘルデルラント公国・ズトフェン領の人々、そしてエムス川とラウヴェルス湖に挟まれたホラント・ゼーラント・ユトレヒト・オメランデンの人々は、より緊密に著しく同盟し、連合するのが賢明と考える。それは、ヘントの和平で設立された同盟から撤退するという意図ではなく、むしろそれを強化し、これらにもたらされるであろう敵の慣行・攻撃・暴力などのあらゆる困難から自分たちを保護するためである。そして最終的には、様々な事態に諸州がどのように振る舞うべきか、そして諸州や特別な一部分のさらなる分割を避けようとすること同様に敵から自分たちをどのように守ることができるかを明らかにすることも賢明と考える。これらの理由から、前述諸州の特使たちは、その支配者から完全に権限を与えられ、以下の点や条項を起草し決定する。これを行うことにより、我々は神聖ローマ帝国から撤退することを望むものではない。

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