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#14 厳しい状況になったけれど

厳しい状況になってしまいました。残り13試合でJ1昇格圏内の2位との勝ち点差は10です。SNSでは、「終戦」という言葉もありましたが、「諦めたら終わり」といったツイートも少なからず見られました。可能性が消えたわけではありません。私も諦めることなく、最後まで応援し続けます。

J2のアルビレックス新潟は第29節の9月11日、デンカビッグスワンで山形と対戦し、1―2で逆転負けしました。勝ち点は51で変わらず、2位の京都との差は10に、1位の磐田とは11に開いてしまいました。

「残留争いでは、残留を争うチームも負けたり引き分けたりしてくれましたが、昇格争いは違います。ライバルたちは勝ち点3を着実に積み上げてきます」と以前(#12 )、書きました。前節29節の試合では磐田、京都とも逆転勝ちしています。磐田は千葉に前半に先制されながらも後半に3得点し、京都は前半のうちに琉球に追いつくと試合終了間際に勝ち越しに成功しています。

圧倒的な強さを見せつけられている磐田と京都に、勝ち点差を10以上に広げられたのですから、かなり厳しい状況といえます。残り13試合でアルビが全勝したとしても、勝ち点で並ぶか上回るには、最低でも

 ・磐田(勝ち点差11)とは直接対決を残していますので、それ以外に磐田が2敗1引き分け(1敗3分け、3敗、0敗4分け)

・京都(勝ち点差10)が2敗2引き分け(3敗1分け、1敗4分け、0敗5分け)してくれなければなりません。

あくまでもアルビが残りを全勝するという前提ですが、これならひょっとしたらと思えます。さらに今シーズンの特殊事情を考えると、両チームがこれ以上に勝ち点を取りこぼす可能性もあるかもしれません。

今季は例年と違い、2年連続で2チームしかJ1に昇格できず、4チームがJ3に自動降格します。上位チームは、来季はJ1から4チームが降格してくることもあり「絶対に昇格したい」、下位チームは「絶対に残留したい」と思っていることでしょう。

現時点の状況を見ますと、上位は3位の新潟から8位の長崎までの6チームが、昇格圏の2位・京都との勝ち点差10~13の間にひしめいています。7位の山形と8位の長崎は14日に未消化の25節を戦いますから、この結果によっては3位から8位までの6チームが、2位との勝ち点差9~13、または10~12で追う展開となります。

逆に残留争いは、11位の秋田から18位の大宮までの8チームが、降格圏内の19位・金沢との勝ち点差10以内にいます。12チームが残留争いを強いられていると言っても過言ではないでしょう。9位の水戸でさえ降格圏内との勝ち点差は13ですから、全22チームが昇格争いか残留争いに関わっていると言えるかもしれません。

3位から8位のチームは1位と2位のチームには「絶対に勝つ」と臨むでしょう。逆に下位のチームは、上位チームに対しては「引き分け、あわよくば勝ち点3」を狙ってくるのではないでしょうか。これからの終盤戦は例年以上に激しく、番狂わせも多くなるかもしれません。

   ◇      ◇

「そんなことを言っても、アルビが残りを全勝できるわけないでしょう」、「オリンピックによる中断が明けてからは6試合で1勝3分け2敗ですよ」、「この3試合で1得点6失点ではね~」といった声も聞こえてきそうです。

山形戦の前の北九州戦は「『守備も攻撃も切り替えの早さも、これ以上は求められない』。アルベルト監督がそう言うほどの内容。後半に入って決定機もいくつかつくり出し、ゴールも時間の問題と思われたが、タイムアップが先に訪れた」(新潟日報)という試合でした。

そして山形戦は前半10分、「相手最終ライン裏に抜け出したMF高木のクロスをFW谷口が右足で合わせた。2戦連続無得点だったチームにとって喉から手が出るほど欲しかった先制点」(新潟日報)を挙げましたが、逆転されてしまいました。

DF藤原奏哉哉選手は、モバアルZの「モバセコ」で、「みんな勝ちたい想いがあるが、それでもひとつのミスでやられてしまっている印象がある。大まかなところはどの選手もしっかりできているが、自分も含めて細かいところの声をかけていかなければならない」とコメントしていました。

得点を決めたFW谷口海斗選手は、Jリーグ公式サイトの「選手コメント」で「後半、ゴール前で手数をかけすぎているのでは?」という問いに、「今まで積み上げてきたスタイル。もっと大胆にゴールに行くことも大事だと思うので、そこのバランスをうまくとれればと。あとはシュート精度をもっと上げていかないといけないと思います」と答えていました。

決定機に決めきれないことに関して、MFの福田晃斗選手は、「チームの調子いいときは、特に何も考えなくても入ったりしていると思う」とした上で、「それは偶然ではなく、自信を持ってやっているからで、結果につながると思う」と語っています(モバアルZの「モバゼコ」)。

内容的には良くなってきているのですから、勝利という結果が欲しい。それが選手たちの自信となり、自信を持って戦うことでミスは減り積極的なプレーは増える。その好循環で、シーズン序盤のような連勝を再現してくれると信じたい。

次の試合は9月19日のアウェー東京ヴェルディ戦です。ヴェルディとは3月27日(第5節)にホームで対戦した際は7―0で圧勝しています。ヴェルディの選手たちは、自分たちのホームでその雪辱を果たそうという思いが強いに違いありません。さらには、現在は10位ながら降格圏内19位との勝ち点差は13ですから、早くその差を広げたいことでしょう。

しかし、アルビも勝って2位との差を詰めるしかありません。ただ、「勝たなければならい」という思いにとらわれすぎて、プレーが慎重になりすぎたり個人の力だけで打開しようと強引すぎるプレーが増えたりしては逆効果になってしまいます。ここは吹っ切って、これまで築き上げてきたチームのサッカーを楽しみ、何よりもサッカーをできることの喜びをかみしめながらピッチで躍動してほしい。そうすれば、結果はついてくると信じています。

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