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エリートへのあこがれとコンプレックス

「エリート」へのあこがれとコンプレックスを少しでも成仏させるために、2014年(6年以上たってることが衝撃)に3ヶ月間、イギリスの某有名大学にVisiting Researcherとして研究をしにいったことを振り返る。

はじめに

2014年に、会社の「自分で行きたい研究施設を見つけてアポとって研究してきて良いよ、研究費用と生活費は出すよ、他の仕事はしなくてよいよ」っていう素晴らしい制度で、イギリスの某有名大学にいった。留学というより、研究者のインターンみたいな感じ。

興味のある研究をしている先生に履歴書とメールを送りまくって、交渉して短期のポストを得た感じ。ちょっとした経歴と時間とお金(ヨーロッパはアメリカに比べると安価)があれば、行けちゃう感じ。紹介状は、なくても行けた。メールに返信くれた人が何人かいたから、特別、幸運やったわけではないはず。

6年も前ではあるけれど、改めて振り返って、今後のキャリアパスとかを考えようと思う。そして、なかなか人に話すネタにもなりきらない微妙な気持ちを成仏させたい。ネタになりきらない部分は、どうも「エリート」へのあこがれとコンプレックスのせいじゃないかと思っている。

「エリート」って言葉が適切かどうか自信はないけれど、自分的には、こんな人を指す。ネガティブなイメージや皮肉めいた批判的な気持ちはなく、ものすごくポジティブな言葉として使ってる。

1. いろんなことについて、自分の言葉で意見を言える。
2. 目的と責任感をもって仕事をしている。
3. なんかすごい。

詳細はここには書かないけれど、先生と話して研究テーマ決めて、計画たてて、手を動かして、データとって、なんとか国際会議で発表した。研究的には、アウトプットも出せてよかった。今回、それとは別の得たもの、得られなかったもの、もやもやするものについて書こうと思う。特に「エリート」について。

得たもの

まず、得たもの3つ。いろんな姿勢の理想形を垣間見た気がする。割と普通ではある。

1. 研究、仕事の目的大事。
当たり前ではあるけれど、研究テーマの目的が明確やった。そして、インパクトがある(ように聞こえた)。WHYからはじめよとか、ISSUEからはじめよとか、言うけれど、研究もやっぱそうよなぁと思った。目的、大事。

2. 効率大事。
効率へのこだわりを感じた。無駄なことはしない。他の大学や研究施設と分業してるところや、ツールを使いこなしてるところや、論文のストーリーを考えた上でデータとってるところ。効率大事。

3. プライベート大事。
お世話になった先生も同僚も小さいお子さんがいて、保育園に送ってから仕事してたり、夕方の決まった時間になると帰宅したり、時間に厳密やったりして、プライベートを大事にしてる感じやった。もしかしたら、家で仕事してたりするのかもしれないけど、すごく人間的な生活してるように感じた。

わりと普通な感じはするけど、ここらの姿勢を、二十代で肌で感じれたのがよかった。それ以降、完全に真似はできていないけれど、仕事するときに目的を意識したり、育休とったりして、行動の変化はあったと思う。

得られなかったもの

得られなかったものも3つ。

1. (研究から製品化まで)ビジネスにつなげる力
発表はできたけど、ビジネスにはつながらなかった。なかなか難しい。また別のスキルが必要なんやと思う。それを学びに行ったわけではないけれど、結果は欲しかった。その後、より考えるようになった。

2. (周囲に期待されるほどの)英語力
余談な感じはするけど、英語力はそんなに得られなかった。3ヶ月海外に行くと、英語ができる人扱いされる。研究の話は(相手が合わせてくれたら)そこそこできても、スタバの店員さんが話す英語は全然聞き取れない。ネイティブの砕けたブリティッシュイングリッシュまじでわからん。英語力はそんなに伸びた気がしないけど、残念なことに、日本語能力が著しく低下した。たまに会社の人と電話するとまじで日本語が出てこなかった。なんか損した気分やった。まぁ、でも期待に答えられるように英語に触れる機会は増やすようになった。

3. (大学名に見合った)エリート力
これが、一番悩ましいところ。自分の意見を持って、言葉と行動にできるエリート的な能力が身につかなかった。というか、足りなさを感じた。一朝一夕では身につかない系の力。研究に関して、メンバーの優秀さは、それなりに想定の範囲内ではあった。想像を超える天才はなかなかいないんやろうなと思う。ただ、エリート的な能力が高い人が多くて、そこに気後れしてた気がする。イメージが先行してるのかもやけど。

結局

自信はついた部分もあるし、失った部分もある。いわゆるエリートへのあこがれとコンプレックスが強くなった気がする。なんとなく考えてるだけじゃたどり着けない、積み重ねてきてる姿勢に由来している能力な気がする。自分の意見を持って言葉にすることの重要性みたいなところにつながってる気がする。脳内の同僚や先生と会話する感じで自問自答して、自分の意見を言葉にしていくのが良いのかも。そして、行動に移していく感じか。

最後に

ついた「箔」をどういかすか。悩ましい。そもそも経歴を見せる機会はほとんどないけれども。なので、箔どうこうより、地力をつけるのが大事なのが前提ではあるけども。ただ、キャリアを考えるとついた箔を効果的にアピールできると良いんやと思う。「エリート力」を伸ばさないと「箔」に負ける。「エリート力」ってなんやねんって感じはするけど、エリート力大事。もうちょい、エリート的な思考を深堀りして考える必要がありそう。

6年も前のことやけど、もやもやっとした部分がずっとあったので、改めてそれに向かい合えてよかった。今回は、こんなもんで良いか。自分史上、かなりインパクトのあるイベントやったので、また振り返ることもあると思う。しばらくは、素直にエリートへのあこがれとコンプレックスに向き合えるようになったんじゃないか。

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