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【映画】『スクール・オブ・ロック』元気とやる気を取り戻す映画


1.好きなところ!


みんなが見たいジャック・ブラック! 明るく楽しく暑苦しく! まさしくこれ! というパブリック・イメージそのまま、というかこの映画が作ったと言っていい。

独りよがりでバンドを首になった男が、ニセ教師としてこどもたちと触れ合ううちに、こどもたちを変え、自分もまた変わっていくという、王道ストーリー。

ジャック・ブラックの顔芸やハイ・テンションは楽しく飽きないし、音楽を愛する姿勢が一貫してブレないのも好印象。だれに対しても平等に不遜、その場その場でごまかしを重ねるが、なんか意外と優しいのもポイント高い。

特に中盤、規律にやかましい女性の校長先生に、校外授業の許可を取るため懐柔しようと下町のバーに連れていくシーンは白眉。校長先生が好きな曲をジュークボックスから流し、ノリノリにさせ勢いで承諾を得るところは観てて本当に楽しい。

なぜあそこが楽しいかというと、だまされてる校長先生が楽しそうだからだ。力関係が上の者(劇中「大物(ザ・マン)」と呼ばれる)からだましてなにかを得るシーンって映画ではたまにあるけど、だまされた方も楽しいという例は少ない。

しかもそのあと帰り際、車中で校長先生は自分の本音を吐露する。本当はこんな嫌なやつじゃないんだと。しかしユーモアのかけらもない保護者たちの圧力によってこうなってしまったんだと。僕はこのシーンがいちばん好きだ。

2.S先生の才能とは?


ジャック・ブラック演じるニセ教師・S先生は、音楽の力によってこどもたちの才能ややる気を引き出す。こどもたちがどんどんやる気に満ちていく姿は見てるうちに、こちらもやる気が湧いてくる。

しかし、こどもたちだけじゃない。S先生は校長先生のいい部分も引き出す。自分もかつては音楽を愛し、ユーモアがあったことを思い出させてくれる。そして、さらにいうと終盤、大勢の大人たちも変えていく。

そう、彼は「人の埋もれてしまったいい部分を引き出す」天才なのだ。そういった意味で彼は最高の教師だ。

3.さあ、僕たちの番だ


この映画が教えてくれることは、たくさんある。観ている僕たちもS先生の授業を受けていたのだ。

・僕たちのなかに眠っているやる気、活力、なにかを愛する力を忘れてはいないか。

・楽しむ気持ちを失っていないか。(「楽しければうまくなる」と言ったのはダルビッシュ・有だ)

・そして、大物に反抗しろ!

・最後に、ロックしようぜ!


最後まで読んでいただきありがとうございます。よければ「いいね」を教えてください。はげみになります!

『スクール・オブ・ロック』(2003年/108分/アメリカ)
監督:リチャード・リンクレイター
脚本:マイク・ホワイト
出演:ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、ミランダ・コスグローヴほか

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