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リハビリテーション治療に必要な急性期リスク管理

【はじめに】

リハビリテーションをする時に,学生さんや新人療法士の方々は先生や先輩から「リスク管理が大事だ!!」と頻繁に言われているのではないでしょうか?

急性期病院に勤めていると,「リスク管理=バイタルサイン」と考えがちですが,リハビリテーションにおけるリスク管理はもっともっともっともっと幅広いです.

今回は「超急性期から亜急性期,回復期」にかけて医療者が観察すべきリスク管理について考えてみたいと思います.

お読みいただく前に,今回は有料部分があります.この料金設定について,私の考えを書いていますので,よろしければ以下の記事をお読みください.

投稿内容と価格設定について」(2020/06/26記載)

【そもそも,なぜリスク管理は必要なのか?】

ごく,あたり前の質問ですが,答えられるでしょうか?

「対象の状態を知るため」,「対象を危険にさらさないため」,「介入して良いかどうかの判断のため」など,「対象」が悪くならないためにリスク管理をすると考えていませんか?

この考え方,もちろん正解です.この考え方無くして医療の現場に経つことはできません.しかし,この考え方だけでは足りません.

対象を良くすることは大変重要ですが,それに加えて「医療者」や「病院という組織」を守る事も同じくらい大切です.

対象は助かったけど,医療者が疲弊しすぎてしまう.
対象は良くなったけど,病院という組織が破綻してしまう.
このような状況になってしまうと,次に来る対象・患者さんは困ってしまいますよね.
特に急性期においては「安全に」,「質の高い」医療を提供しなければいけません.
そのため,対象・患者さんの安全だけでなく,医療者の安全を確保することも同じくらい大切で必要な事です

例えば,今回のCOVID-19に関しては間違いなく,良い例だと思います.COVID-19の感染が疑われる対象の場合,まずは「隔離」が重要です.

これは,対象を治療に専念させるだけでなく,「医療者」や「他の人」を感染させない事も重要だからです.また,あまり知られていないかもしれませんが,COVID-19を主に治療する基幹病院は地域によって決められています.

そのため,救急隊は疑わしい症例をその基幹病院に送ったり,周辺施設も疑わしい対象にはPCR検査をして,陽性であれば迅速に基幹病院へ送ったりしています.

これは,色々な病院でCOVID-19の対応をして,全ての病院の機能が停止してしまうのを防ぐ対策でもあり,大きな意味で「リスク管理」と言えるでしょう.

このように,対象・患者さんだけでなく,医療者やその組織も守る行動を「リスク管理」と考えることが大切だと思います.

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