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いま、卒業式を迎えて。

 私事ではありますが、無事に大学を卒業しました。2020年入学の僕らは未知の脅威との戦いに学生生活のおおよそ半分を費やした、稀有な経験をした世代だと思います。その間、世の中の技術革新はハイスピードでしたが、

世間で言われていた「人生の夏休み」。人脈づくりの場。遊べる唯一の時。様々な経験を積めるいい機会。サークル・部活に勤しみ思い出をつくる。

これらの半分は、オンラインという形で失ってしまった。顔合わせはパソコンやスマートフォン越しに。講義室で「はじめまして」を、マスク越しの籠った声で言えたのはいつだろう。時折、振り返ってしまいます。

世の大人たちにはきっと甘い言葉に聞こえると思いますが、僕たちが満足のいく学生生活を送れたかと言われれば、素直に「はい!」とは答えられないです。

酷い答えだと思います。少なくない経済的負担を支えてくれる人がいたはずなのに、「不満足でした」と言い放ってしまう。僕らは親不孝者だと思います。無礼者たちです。擁護のように聞こえるとは思いますが、やはり他の世代と比べれば少なからず充実はしていなかったからです。

この意見に対し、

「パソコンやスマホが当たり前にあって、こんな状況でも不自由なく単位が取れたんだから充実しているだろう。バカにするな、甘えるな。それを乗り越えてこその“大人”だ。学生風情がその程度で文句を言うな。」

その通りではあると思います。ただ、僕らが言う充実とは、別にスマホがあることとか、パソコンがあることでもないです。もちろんこれらがあることは大変幸せなことで、僕らはこの生活に対して感謝の気持ちを忘れているところもあると思います。

では、僕らの欲しかった充実とは何なのか。

それは、スマホもパソコンもネットも要らない。オンラインでもマスク越しでもない。
ありふれた姿で、特別なんかない、”ただの学生の日常”です。

しかし時間は進むだけで、もう取り戻すことはできない。僕らは一生残る、普通ができなかった後悔を、大小ありますが背負って社会に出るわけです。

 消化不良の学生生活。それが卒業式によって強制的に閉じられてしまったような気分です。だからきっと、僕らは学生気分が抜けにくい世代だと推測しています。非常にやりづらいでしょうし、不満はどの世代を相手にした時よりも溜まると思います。多分ここ数年で一番のクソガキだと思います。

そんな学生としても成熟したかどうか分からない中、新社会人としてやっていけるのか。しかしどうやら僕らは「さとり世代」らしいので、「何もかもを知っている」という悟りではなく、「何も知らないことを悟っている」という形で、訪れる4月を迎えられればいいなと思います。理想ですがね。


【あとがき的な】
こんな粗末な散文かつ乱文を読んでいただき、誠にありがとうございます。
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