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再開、海外旅行 9

(土ボタルツアー続き)
ガイドさんは発光キノコも案内してくれる。青白く光るキノコなんて、見たことない上に綺麗なので、なかなかよい。
その他、10センチくらいある大きなクモや、毒のある木、トゲのある木、締め殺しにされた木、コウロギ、バッタ、毒のある土蜘蛛、3センチもある巨大なダンゴムシなどを案内されながら、歩みを進める。ダンゴムシを団子状に丸めたものを、手に乗せてみたい人が募られたが、私は断じてそんなものを手に乗せたいとは思えなかった。道中、土ボタルが光っているところも、ところどころにあった。

そうこうしているうちに、土ボタル観察のハイライトである洞窟に到着したらしい。洞窟だと言われても、真っ暗なので、はいそうですか、と言うしかないのだが、その洞窟に無数の土ボタルがいるらしく、洞窟内は土ボタルが、満点の星みたいに光っていた。しかし、その洞窟内は写真撮影も禁止だし(撮影の光で土ボタルが死ぬから禁止であるらしい)、洞窟の中は、足元を赤く照らす懐中電灯さえ付けてはいけないので(赤い光の土ボタルに与える影響が精査されていないので、とのこと)、真っ暗だ。だからこそ土ボタルの青いような緑のような光がより美しく輝く。
しかもその洞窟の中には滝が流れているらしく、滝の音がする。後から来た人の中に洞窟の中を黄色い光の懐中電灯で照らした不届き者がいて、そのおかげで滝が一瞬見えた。もっとも暗闇の中で滝を見ても、単なる水の流れでしかないのだが、昼間見たら綺麗なんだろうな、と想像する。

散策は1時間程度で終わったが、事前に想像していたよりずっとよかった。なにより、真っ暗闇の中、ジャングルを歩くなんていう体験は、人生でもそうそうあるまい(逆にしばしばあったら困る)。夫は散策の最後のほうで、道のはじの方を歩いていたせいで、ガイドさんの指摘のなかった木が顔に当たってしまい、顔が腫れるという出来事があったが、それも暗闇を歩いたからならではだろう。腫れはじき治ったので、毒を持つ木に当たったわけではないらしい。無事でよかった。
散策中は一切の撮影が禁止だったが、最後に一枚だけ、公園の案内看板のところで写真をガイドさんが撮影してくれた。もっとも、たとえiPhoneのカメラがとても優秀だからといっても、土ボタルのかすかな光を上手く撮影することは、流石に難しいだろうから、思い出は写真ではなく、記憶に残すのが正解なのだろう。

帰りに、満天の星が見えるところで天体観測をするというおまけも、このツアーには付いていた。オーストラリアの国旗にある南十字星や天の河、双子座、蟹座、獅子座、オリオン座、火星などを案内されるが、ガイドさんが星を指すポインターの性能がよく、びっくりするくらい光が星までよく届く。そのポインターのおかげもあって、星が手に取るようにわかるし、何よりこんなに無数の星が見られる機会自体ほとんどないので、貴重な経験となった。

ホテルに戻ったのは夜10時ごろ。非常に素晴らしいツアーだったが、夜遅くまで出歩いて、しかも翌日は朝から別なツアーを申し込んでいるのだ。まずはゆっくり休もう。そして明日のツアーは英語で行われる。
今日のツアーは危険もいっぱいだったので、日本語のツアーで本当によかった、と今更ながらに安堵した。

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