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カスタマーサクセスの青本を要約する~原則⑥本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ

カスタマーサクセスを勉強しようと思ったときに、最も有名でおすすめされる本は「カスタマーサクセスの青本」だと思います。

しかし、このカスタマーサクセスの青本、翻訳のせいなのか少し内容がわかりにくいです。
実際のカスタマーサクセス業務を行っている方に向けて、本の内容を要約・解釈しわかりやすく表現する必要があります。
そこで、「カスタマーサクセス10の原則」の主要なものを取り上げ、カスタマーサクセスの現場で役に立つノウハウをお届けします。

▼カスタマーサクセス10の原則:解説記事をリンクでまとめております

本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ

こちらのタイトルもわかりにくかったのですが、言い換えれば「カスタマーサクセスが製品を磨き、差別化できる製品力をつけよう」と捉えています。

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プロダクトマネージャー(PdM)まではいかないのですが、カスタマーサクセスも製品開発面に協力し、製品を磨いていくことが経営における差別化につながる、という話であれば納得できるでしょう。

カスタマーサクセス青本の書籍の中では、製品を磨いていくための「フィードバックループ」を構築しようと書かれています。
書籍の図をさらに簡易にしたわかりやすい図を独自に作成しました。

製品を磨くフィードバック

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まず一番上の円からスタートです。

①カスタマーサクセスが顧客の成功のために働きかけることで、ユーザーのエンゲージメントを向上させることが第一です。(上の円)
②エンゲージメントの高い顧客から集まった改善要望など顧客の声を収集します。(右の円)
③この顧客の声のすべてに対して応えていくのは難しいため、限りあるリソースの中で優先度をつけて開発に望みます。(下の円)
④開発した内容に関してはしっかりと顧客にコミュニケーションを取って伝達し、製品機能を活用したさらなる成功を支援します。(左の円)

この4つのステップをぐるぐると何回転も回していくことで、どんどんと製品力や利便性が高まっていく、顧客の成功に大きく貢献できるようになっていく。まさにフィードバックの好循環となります。

これら④つのステップのうち、①と④は他の原則でも触れられている内容ですので、②と③について解説します。


顧客の声の収集

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「顧客の声」については、代表的なこれら3つの指標が書籍では紹介されていました。しかし、指標がどれが大切かを論じるよりも、どんな指標でも構わないので、前段となるエンゲージメントをしっかり高めて、顧客の声の回答率を高める。多くの声を集めていくことのほうが重要だと思います。


開発リソースを管理する

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集めた声をどう管理するかのHowが書籍ではわかりにくかったです。
一般的な情報を解説しますと、顧客の声をスプレッドシートなどで管理した後、重要そうな(機能開発が必要そうな)内容に対し、かんばん管理ツールに情報を登録して管理することがよく行われています。
To Doリストに開発機能のネタとして蓄積しておき、優先度をつけて開発に着手します。
上記はGithubのキャプチャを掲載しましたが、かんばん管理のツールは様々なものがあり、各社それぞれ自社の要件に合わせて開発チームで導入していると思います。

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また機能開発の優先度をどう付けるかですが、有名なスコアリングのフレームワークはICEスコアです。

I(インパクト:Impact)
C(確信度:Confidence)
E(容易性:Ease)

の3つのスコアの総合点で、開発の優先度を定めます。
何でもかんでも開発をするわけにはいかないので、事業へのインパクト(影響)が大きくて、簡単に構築できる、つまり費用対効果の高いものから開発に臨もうというわけです。

もちろん、各社の製品開発部署によって見る指標は異なり、独自の指標を設けている組織もいらっしゃいます。機能の優先度をつけるうえで、どんな観点で何の指標を設けているのかはカスタマーサクセスのチームも把握しておくべきでしょう。

おわりに

お読みいただきありがとうございました。
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藤島 誓也:Twitterアカウント
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