何度でもあなたに会えますように
屋久島の弥生杉が倒れた、というニュースをたまたま目にして、しばし静かな喪失感を味わった。20代の半ば、数ヶ月ほど屋久島に滞在しながら、屋久島中の山を登った。その中でも、もっとも数多く足を運んだのが、白谷雲水峡だった。住み込みのバイト先からバスに乗って、登山口で降りたらストレッチをして、駆け出した。弥生杉のあるあたりは人気のないコースで、太鼓岩を目指すほとんどの観光客はやってこない。ちょっとした穴場でもあった。
弥生杉のそばに座って、ただ静かなおしゃべりに興じたこともあった。