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「乗って気づく街の魅力」 tokyobike 中目黒 〔トーキョーバイク ナカメグロ〕 ・ 則竹 翔悟

OPEN MAGAZINE "Based in Nakameguro"では、中目黒エリアに拠点を構える店舗や人を特集し、街の魅力を繋いでいきます。

今回は、カフェのように毎日通いたくなる自転車屋・tokyobike 中目黒〔トーキョーバイク ナカメグロ〕。「なんでもない日常にささやかな変化を与えてくれる」そんなきっかけになる自転車を販売しています。

「街は楽しい」というトーキョーバイクで掲げているメッセージ。日々それを体現し続けているtokyobike 中目黒の店長・則竹さんに「実店舗の在り方」についてや「自身の展望」についてもお話伺いました。

特別な一台を求めて

-- いつ頃から自転車に興味を持たれたのでしょうか。

則竹さん:高校生の頃からロードバイクに乗っていました。ですが、趣味程度で仕事にするなんて全く考えていませんでした。
大学卒業後は広告代理店に就職して、企画営業を担当しました。その後、ITのベンチャー企業に転職して、仕事優先の忙しない日々を送っていました。

-- トーキョーバイクに出逢われたのはいつ頃でしたか。

則竹さん:一号店の谷中店が実家の近くにあったので、ずっと気になってはいました。実際に店舗に通いだしたのは、大学生の頃からです。当時のスタッフにも大変よくしてもらいました。自転車屋さんなのに毎日通いたくなる雰囲気がとても心地よくて。当時の僕にとっては憧れの場所でした。

-- 異業種からの転職ですが、どのような心境の変化があったのでしょうか。

則竹さん:これまでは自分の市場価値を高めるために仕事を選んでいました。
がむしゃらに働いて、稼いで、相対的な価値を気にして。そんな毎日を過ごしていたのですが、ふと「その先に何があるんだろう」と自問した時、腑に落ちる答えを自分で持っていなかったことが大きかったですね。それを機に、無闇に走り続けるより思い切って一度立ち止まってしまおうと、半年間の休暇を取ることにしたんです。

-- ふと立ち止まる瞬間があったのですね。では、その半年間のなかでトーキョーバイクで働くきっかけがあったのでしょうか。

則竹さん:そうなんです。休暇中は友人と食事をしたり、知人の職場に遊びに行ったりして、人に会うために時間を使いました。そのときに谷中店のスタッフとも有意義な時間を過ごしました。

僕の周りにいる人たちは、何かに熱中していて、自分の信念に筋を通して働いていて、とにかくみんなカッコよかった。それは谷中店のスタッフも然りで。そんな人たちの姿を見ていると、自分も思うがままに動いてみたいと思って、ずっと憧れていたトーキョーバイクで働かせてもらうことにしたんです。

-- なるほど。憧れのお店で再スタートは心が躍りますね。では、トーキョーバイクの事業内容について教えていただけますか?

則竹さん:トーキョーバイクの直営店は、都内に4店舗( 清澄白河・吉祥寺・中目黒・谷中 )あります。自転車の販売・修理はもちろん、全てのモデルの試乗ができます。自転車の販売修理以外にも、普段の生活が楽しくなる生活雑貨の販売や展示、レンタルバイクのサービスも行っています。

その他には、サングラスや手袋といったものづくりをされている方々とコラボして商品開発を行ったり、ワークショップやポップアップを開催したりして、地域の方と交流する場を設けています。

清澄白河にある店舗では、夏休み期間に親子で楽しめる自転車の「解体組み立てワークショップ」を開催したり、当店では、チェーンのオイルアップワークショップを開催しました。

-- 子どもから大人まで楽しめるイベントだと、地域の方々も参加しやすいですね。では、普段お店にはどのような方々がいらっしゃっていますか。

則竹さん:自転車に精通されている方はもちろんですが、ここ最近で興味を持ったという方も多くて。そういった方々は、交通手段としてだけではなく「休日も乗りたい」と思える特別な一台を求めて足を運んでくださっている印象です。

コミュニティーという「ある種の場」

--トーキョーバイクは、従来の自転車屋のイメージを変える取り組みをなさっているかと思います。この時代に実店舗を持つ意義について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

則竹さん:私たちのサービスには実店舗が欠かせません。実店舗は、「街は楽しい」というメッセージを様々な形でお伝えする場です。自転車を見たり、触ったり、乗ったり。その中で素敵なお店に出会って、車や電車では見落としてしまうような街の一面に出会って。こういった体験を私たちは大事にしています。

自転車に跨ってペダルを漕ぎ出すと、思わず笑顔になってしまう方が多くて。トーキョーバイクを通して、暮らしにささやかな彩りが生まれる。そんなワクワクする体験を届けたいと思っています。

--では、今後tokyobike 中目黒をどのような場所にしたいと思っていますか。

則竹さん:街のハブのような場所になれば嬉しいです。ここはカフェではないので、毎日通う場所ではありません。ですが「タイヤの空気だけでも入れにいくか」みたいな、日常的にふらっと立ち寄れる場所で在りたいと思っています。

最近は、お客様からは「トーキョーバイクがきっかけで友人ができた」なんてお声もよくいただきます。サイクリング仲間として、一緒に出掛けたりしているそうです。そういったコミュニティーが今後も増えていくと嬉しいなと思っています。

-- トーキョーバイクをきっかけにコミュニティーという、ある種の場が生まれているんですね。次は、中目黒という「地域」についてお話しを伺っていきます。

日々感じる、根ざす文化

-- 開業の地に中目黒を選んだ理由について教えてください。

則竹さん:私たちが直営店を出すのは、トーキョーバイクで走って楽しく、ローカルの暖かさや繋がりを感じることのできる街です。加えて、もともと東京の西側にトーキョーバイクユーザーが多かったので、目黒や世田谷付近で出店できる場所を探していました。その中で中目黒にご縁があり、開業を決めたと聞いています。

-- では、日々働く中で、中目黒にどのような印象を持ちましたか。

則竹さん:中目黒は「新旧入り混じる街」だと思っています。最初はトレンディーな街だとか、洗練されている街みたいなイメージもありましたが、そういった部分は表面的でした。道端ですれ違いざまに挨拶し合う声が聞こえてきたり、自転車で走る度に老舗を見つけたり、地域に根差す文化を日々感じられます。

-- トーキョーバイクという自転車屋として、中目黒という地域に貢献したいと思うことはありますか。

則竹さん:中目黒を自転車で楽しむ人が増えたら嬉しいです。路地の中にポツンと素敵なお店があったり、道路も綺麗なので、自転車との相性もいい街だと思います。目黒川沿いで自然を感じながらサイクリングするのも最高に気持ちがいいですよ。自転車でこの街を走ると、また違った魅力を感じるかもしれませんね。

ささやかな変化で、大きく変わる景色

--最後にご自身の展望について教えてください。

則竹さん:「サイクリングを通してこの街を楽しんでもらいたい」そんな想いから、中目黒のおすすめスポットをまとめたリール動画を作成しています。今後はそのリール動画や発信をより充実させて、街の魅力を繋いでいきたいと思っています。

馴染みある道のりでも自転車で走れば、全く異なる景色が広がります。そういったささやかな変化も楽しんでいただけたら嬉しいです。中目黒にお越しの際は是非特別な一台を探しにいらしてください。


tokyobike 中目黒〔トーキョーバイク ナカメグロ〕

なんでもない日常にささやかな変化を加える"きっかけ"としての自転車を提案する街の自転車屋。

Open = 平日 12:00~19:00 / 土日祝 11:00~19:00
Regular holiday = 水曜日
Address = 東京都目黒区上目黒2-42-10 1F (中目黒駅徒歩7分)

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