#4 ブリコラの紹介② 生きもの編
こんにちは!
OPEN AIR LAB学芸員の松本です。
「ブリコラの紹介します①」では、ブリコラとは何なのか、利用方法や設備についてご紹介しました。続いて②では、ブリコラのウッドデッキと屋外水槽について紹介したいと思います。
ウッドデッキ
ブリコラは室内だけではありません。南北にそれぞれウッドデッキがあり、机と椅子を出しているので暖かい季節には学生達の昼食スポットになっています。
どちらのウッドデッキもブドウを育てています。
北側はベリーA、南側は甲州というどちらもワインに使われる、生食も可能な品種です。南側は2021年度から、北側は2023年度から実が付き始めました。
ウッドデッキで見られる生きもの
そんなウッドデッキで観察した生きものを、観察ポイントと一緒に紹介します。
チェックポイント1:ウッドデッキの木材
ブリコラのウッドデッキの一部は、木造の建物を解体した際に出た廃材を利用しているため、現在は使われていない穴が開いている部分があります。そんな穴を利用しているのが、竹筒バチと呼ばれる竹筒のような細い穴に巣を作るハチの仲間たちです。特に8月~9月にかけて穴に餌や巣材を運び込む様子が観察できます。ハチと聞くと刺される危険を感じる人が多いかと思いますが、竹筒バチの仲間は基本的に人を刺すことはないので、近くで観察しても大丈夫です。試しどれくらいしたら刺されるか確認のため、クズハキリバチを捕獲し手で持ってみたらさすがに刺されました(笑)。逆に捕獲でもしない限り、刺されることはまずないです。
チェックポイント2:北側ウッドデッキ下&階段
北側ウッドデッキの階段には土が使われており、それを利用しているのがジグモです。ジグモは土中から伸びる筒状の網を作り巣としています。巣を破らないようにそーっと持ち上げると巣と一緒にジグモも出てきます。何個も巣を壊すのはかわいそうなので、もし観察する場合は配慮をお願いします。
※ジグモは噛む危険があるので注意。噛まれるとかなり痛いそうです(筆者は未経験)
また、北側ウッドデッキ下は土を敷いており、奥の方は日当たりが悪くシダ植物が繁茂しており、様々な生きものが観察できるポイントになっています。
チェックポイント3:ブドウの葉
昆虫類の中には好んでブドウの葉を食べる種も多いです。ブドウ農家さんとしては天敵かもしれませんが、ブリコラではそういった昆虫を見つけても大規模な被害がない限りは駆除をせず観察しています。
例えば、毎年9月~10月ごろに見られるのがコスズメの幼虫です。
気が付くころには大きな幼虫が、もりもりブドウの葉を食べる様子を観察できます。
また、コスズメのような草食昆虫を狙うスズメなどの野鳥やカマキリ類、キリギリス類などの肉食昆虫もよく見ます。他にも「寄生」という生態を持つ生きものを見ることもあります。ある日、コスズメを見ていると、背中に繭を背負っていました。これは寄生バチの一種であるコマユバチ類に寄生された状態です。
ある年では、多数のヤガタアリグモのペアがブドウの葉に巣を作りました。一般的に「クモの巣」というと、獲物を捕獲するための網を指しますが、アリグモ類は巣は名前の通り住処として利用されます。
屋外水槽
北側ウッドデッキには、コンクリート壁で囲まれた水槽があり、2021年から水をはり、学内にあるビオトープ池から土を移植することでガマが自然発生するなど、徐々に水辺環境として整備をしています。
※この水槽は名称が決まっていないため、暫定で「屋外水槽」と呼んでいます
屋外水槽で見られる生きもの
この水槽も様々な生きものが利用をしています。今回はトンボとカエルを紹介します。
トンボの仲間
屋外水槽には多くのトンボ類が飛来し産卵しますが、特に目立つのは大型のトンボ類であるヤンマ科のトンボたちです。今まで、クロスジギンヤンマ、マルタンヤンマ、ヤブヤンマの飛来と産卵を確認しています。他のトンボ類だとショウジョウトンボやオオシオカラトンボを特によく見みます。
カエルの仲間
2023年の初夏にかけてニホンアマガエルが多数集まり合唱を聞くことができました。夜だけでなく日中にも観察しやすく、水槽の中やブドウの葉の上にいる様子が度々観察できました。
他にも、2~4月にはヤマアカガエルが、4~6月にはモリアオガエルが来て鳴き声を聞くことができます(まだ合唱とは言えない規模ですが)。2023年はヤマアカガエルとモリアオガエルの卵塊も確認しています。
さいごに
ブリコラのウッドっデッキと屋外水槽で見られる生きものについて紹介しました。今回紹介した生きもの以外にも様々な生きものが観察できますので、ぜひブリコラに来た際には自然観察も一緒に楽しんでください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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