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山にもらったこと 「本当の空と火星とおっぱいと」〜安達太良山編〜

ソロ山行は苦手です。
自分の技量を信じてないし(道迷いしたら?滑落したら!とドギマギ)
元来寂しがり屋なもんで、登頂時の感動や下山後の乾杯を、一人でうまく楽しめないし・・

でもこの時は、急にどうしても山に行きたくなって、安達太良山なら一人で登れるんじゃないか?と始発の新幹線に飛び乗り・・2019年の秋、初のソロ山行でした。
あっと、決して安達太良山を舐めていたのではありません。

地元の人たちから「おっぱい山」とし親しまれ、(確かに、女性の乳房を横から見たような姿)福島県民の心の山、と言われている山。
高村光太郎の「智恵子抄」にも登場する、「本当の空」がある山。
ここなら、一人の私をやさしく(イージーではなくジェントルに)受け入れてくれるんじゃないか?と、勝手な想いを膨らませたわけです。

その妄想は、的中でした。

ケーブルカーを使わず下から登るのは決して楽ではないけれど、
薬師岳を越えてからの山道はのびのびと開放的。七合目あたりで振り向けば、
眼下には二本松市の村がゆったりと横たわっていて、見上げれば、おっぱいの先っちょ(乳首ですね)が待ち受けてくれていて。

実は乳首部分は岩の塊で、山頂を目指すには、プチ岩登りです。

そしてこの山は、山頂から先も面白い。
ほどなくすると左手に、
122年前の大噴火で生まれた爆裂火口「沼の平」がドッカンと出現。
その光景はまるで火星!(って、見たことないですけど、火星)

圧巻すぎて、しばしその場を離れられません。

帰りは峰の辻でランチして(カップヌードルでそそくさと^^;)

その後くろがね小屋経由のルートで下山。(この時は入れなかったけど、
くろがね小屋の温泉は麓の岳温泉街の元湯らしく、実に素晴らしい!)
 
初のソロ山行の感想はといえば、「安達太良山にして、よかった」。
風景もランチも下山後ビールも、やっぱり一人では楽しさ半減だと思うし、時間ばかり気にして(コースタイム通りにいかないと帰りのバスに乗れない!)
ずっと気が急いていたし・・けど、
福島県の方々が「心の山」とするゆえんが、わかった気がした。
他の山とはちょっと違う、たっぷりとした包容力があって、
私はこの山がとても好きになりました。

その後2度、夏と冬に訪れ、次回はきっと春の安達太良へ、と思っています。

@2019/9/5


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