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だから僕たちは、組織を変えていける(著・斎藤徹)

”正方形に近い独特な形やシンプルでいい感じなビジュアル” 
”興味をそそられる題名”
心を奪われ2022年の始めに書店で購入した一冊です。思わず飛びついた一冊ですが、今では何度も読み返している記憶に残る書籍となっています。
すこし読書記録を書き留めておきます。

冒頭から、組織に対するアプローチが続くのですが、時代(環境)を振り返りながら様々な時代にとって組織の在り方がわかりやすく書かれています。組織の過去のトレンドが時代背景とつながっていて理解しやすい。最後には現代組織についてのアイデアもあり、まさに「組織を変えていける」という題名から期待したとおりの内容でとても好感を持って読み始めることができました。

しかし、3章からは、「関係」「思考」「行動」そして「変革」と展開されていきます。わかりやすく自然に「組織」から「個」へ。スポットライトが絞り込まれるように、私たちの仕事についての話が深くなっていきます。

出典:だから僕たちは、組織を変えていける(著・斉藤徹)

本書の流れを説明するために、グーグルの研究結果(5つの成功因子)も引用されていました。本書の全体感を掴むためによい図だと思いますのでご紹介しておきます。

では、本書で私が記憶に残った部分に触れていきます。

この章では「社会にとっての仕事の意味」「自分にとっての仕事の意味」を考えてきた。しかし、深く追求していくと、それぞれの境界が溶けていくことがわかる。最後に、ふたつの意味を統合して考えてみよう。

出典:だから僕たちは、組織を変えていける(著・斉藤徹)

「社会にとっての仕事」「自分にとっての仕事」それぞれのバランスが個人の中に統合されていることが説明されています。双方が個の中で入り混じっているという感覚は共感が持てました。ちなみに、このページの見出しは、

僕たちは、仕事に何を期待しているのか

出典:だから僕たちは、組織を変えていける(著・斉藤徹)

何を期待しているのか?自分にとっての「仕事」を知るには自分を知ることですね。思わず自問自答してしまいました。自己概念や自己理解の重要性を改めて感じるページでした。
個人の仕事に対する価値観の具体的な実例として、アダム・グラントさんの研究が取り上げられています。
  ・ギバー(与える人)
  ・テイカー(受け取る人)
  ・マッチャー(バランスをとる人)
人を3つに分類した研究報告です。他にも自己理解ツールは数多くありますが、詳しく知りたい方はこちらも読んでみてはいかがでしょうか。

本書ではこのような文献や研究結果の引用が多くあり、次の読書のきっかけになるかもしれません。

他には「動機づけ」「仕事を楽しむ北極星」「組織のモチベーションをアップデート」「組織は硬直化していく」「心理的安全性」など興味深いページが続きます。1つ1つがコンパクトにまとまっているので、テンポよく気づきをもらいながら読めていくことができました。

例えば「心理的安全性」ですが、1999年にエイミー・エドモンドソンが発表されたのですが、そこに至る時代背景やなぜ必要となったかなどが書かれています。その後、4つの不安や心理的に安全な職場とは、それを生み出すプロセスとつながっていきとても腹落ちしやすく構成されています。

また、おもしろいテーマとして印象に残っているのは「犯人探しという大罪」なんてものもありました。

だから僕たちは、組織を変えていける

やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた

ジャケ買いのように手に取った本書ですが、組織と向き合い、チームメンバーと向き合うマネージャー職の皆さんにとって、複雑で多種多様な日々のお悩みに対する解決の糸口になるかもしれないと思う一冊です。素晴らしい出会いでした。

感謝。


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