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【映画感想】タイタンズを忘れない 2000

はじめに

 大学の文化研究の講義で、映画を1本まるまる観た。70年代になり、アメリカでは黒人と白人の関わり方が大きく変化した。今まで区別されていた学校やバスといった公共のものが統一されたのだ。
 そんな情勢の中人々がどのようにこの事実を受け止めて、変化していったのかをスポーツを通して描いた、実話をもとに制作された映画である。

映画感想

 実話をもとに制作された映画ということで、現代においても白人による酷い黒人差別が行われているのにそれはマシになってきているのだと理解した。ただこの映画では、人種差別以外にもコーチの同僚の白人が裏切られた腹いせに審判を不正に行う場面があり、人種差別以外にも同種族においても発生する価値観の差異からの差別も描かれていた。こちらはプレーで黙らせるという行動で覆すことができ、これは黒人差別においても暴力などの非平和的な犯行をしたところで、根本的な解決にはならないといったメッセージも含まれているのではないかと考えた。この審判の不正は、第三者視点の観客から野次を飛ばされていたが改められることはなく、人種差別においても当事者が声を上げる必要性も示されていたと感じる。
 前半に合宿をすることによって、コーチの「互いを知れ」という命令もあり選手間での人種に対する偏見は無くなっていったが、街や学校に戻ると改めて人種差別を強く感じることとなり、小さなコミュニティにおいては差別意識をなくせるかも知れないが全体に浸透させるのは途方もない時間と労力が必要なのだと考える。そうなると、自分達の小さなコミュニティから出なければいいという考えになって何も進展しない悪循環になるのではないだろうか。
 結果として白人と黒人のコーチは互いに理解し合いチームを勝たせるために行動し、タイタンズは優れた成績を残し、タイタンズのある地域では黒人差別は無くなっていったが、それは結果を出したからであって、失敗していたら差別は無くならなかったのだろう。
 ステレオタイプ然り幼少期から持つ価値観は積極的な相手との関わりや、衝撃的な出会いがないと変化するのは難しいことなのではないかと、この映画の成功例を見て改めて強く感じた。

おわりに

 授業で観賞したため人種差別の観点から比較的真面目な文章になってしまった。普通にヒューマンドラマスポーツ映画として面白かった。実話を基に制作されているらしく、こんなドラマが実際に起こっていたのは凄い、まさに事実は小説よりも奇なりといったところか。
 それではできればまた明日お会いしましょう。ここまで見てくださりありがとうございます。

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