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変化は突然起きるのか?


大きな病気をしたり、理不尽な事件に巻き込まれたりする経験をすると、人生について深く考え、方向転換をしたというようなことを見聞きする。

死の縁を彷徨って生還し、そのスピリチュアル体験を伝えてくれる方、困難を乗り越えて問題解決をしてきた方のご経験には、学ぶことが多く、知らない世界を垣間見させてくれることにもワクワクするものだ。

しかし、解決したい問題を長年抱えているのに
現実の人生において、本を読んだりワークをしても何かすっきりしない、変化が起きていないように感じるものだから、どういうことか考察していた。

人生が何も変わらないと感じているのなら、それは恐らく、大変革が起きるのを待っているからでしょう。
つまり、恐怖がすべて消え去り、何もかもがはっきり見えるようになるブレークスルーの瞬間です。そこでは、努力せずに何かが起こります。目覚めるとまったく新しい存在に生まれ変わっています。

「感情戦略」ブリアンナ・ウィースト著

目が覚めると何かに生まれ変わっているというのは、「異世界シリーズ」か何かということだろうか?

一気に変身


ファンタジーならいいのだけれど、
現実には、朝目が覚めたら、昨晩眠りについた場所で、寝る時に来ていた服を来た私が、夢の名残りを味わいながらも同じ私のままで起きてくる日常は変わらない。

どんなに望んだって、いきなり変わることは奇跡でも起こらない限り滅多に無い。だからこそ、ファンタジーは想像の世界で無限に自由で、なんでもできる万能であっていいと思う。
・・・お話の世界はそうでなくちゃね。


人間が毎日の暮らしを安心して続けていくためには、
・生命が脅かされないこと
・体に必要な栄養が取れていること
・十分に睡眠をとって休息していること
・清潔で心地よい場所に、自らも清潔にいられること
・周りの人間から迫害を受けないこと

ということが必要かと私は考える。

快適であること、を求めれば、さらに物が必要になってきたり、心を満たすために付加したいこともあるだろうが、とにもかくにも、
安心して生きるための基本定義は意外と忘れられがちなので、押さえておく。

人間が生きていくのには、変わりたい、逃げたいと思っても、まず、この
安心して生きるための基本定義が何度も妨害してくる。

この妨害システム(足を引っ張っている仕組み)のことは、
恒常性、ホメオスタシス、慣性の法則、慣れたものを快適と感じる肉体の感覚、習慣の無意識 などで説明がつく。
さらに、脳。脳はすぐ怠けようとする。
脳が喜ぶことに際限はないので、エネルギーが際限なく必要なのを脳自身が知っているから。

変化よりも同じ方が安心。知っている感覚に身を委ねた方が、未知のものへの恐怖と戦わなくていい。自分の能力の省エネルギー。楽だから、ということを身体の細胞も、無意識も知っている。
危険を回避するために、必要不可欠な本能なのだから、それはとても大事なこと、忌み嫌うのは得策ではない。

今のままが気持ちいいし、変わりたく無いの

しかし、人から聞いたか、書籍を読んだか、テレビで見たか、体験したか、ふと思いついたのか、なんらかのきっかけで、
変化したい、と心から決意したとしたら、妨害システムを知ってすり抜けて進みたい。この先には、今まで知らなかった感覚や経験、素晴らしい世界が待っているのだから。


では、どうするか。

変化はがらりと起こるものではなく、マイクロシフトで起きる

「感情戦略」ブリアンナ・ウィースト著

ということを受け入れること。

人生は、目が覚めるようなブレークスルーがたった1回起きるから変わるわけではありません。小さな変化「マイクロシフト」が変えるのです。

「感情戦略」ブリアンナ・ウィースト著

地道な習慣をつけること。

 今朝自分がとった行動がそこまで重要だったとは、思わないかもしれません。でも、重要だったのです。そんな小さなことに意味があるとは、思わないかもしれません。でも、意味があるのです。
 大きな変化を一気にすることが難しいのは、人間が欠陥のある無能な存在だからではありません。人間が快適ゾーンの外で暮らすようにはできていないからです。
 人生を変えたいなら、ほとんど気づかないような小さな決意を、それが習慣になるまで、いついかなるときも毎日、していく必要があります。そうすれば、ある日それがカチリと身につくときが来るのです。

「感情戦略」ブリアンナ・ウィースト著

今、大きく決意して、起業したり、退職したり、離縁したり、別居したり、引越したりすることが、変化のために必要不可欠なのではないようなのだ。

小さなことを、完璧でなくてもいいからやってみる。

コーヒーを飲み過ぎているので、控えたいと思うならば、コーヒーを飲みたい気分になった時に、3回に1回は水にしてみる、とか。

小麦製品を控えると言っても全部はできないから、せめて菓子パンを食べないとか。

毎日笑顔で挨拶をする、ということを毎日1回でもやってみる、とか。

ストレッチを毎日、1ポーズだけでもやってみる、とか。

1ポーズだけでも、3分だけでも

「変化」とは、本能的には危険で生命を脅かす可能性のある何かを意味します。私たちがそれを恐れて自ら檻を作り上げ、その中に留まろうとしてしてしまうのも納得です。扉に鍵はかかっっていないのに。
 自分にショックを与えて、その勢いで新しい人生を始める方法に効果はありません。
 変化するには、変えたい気分になるまで待つ必要はありません。必要なのはただ、少しずつやりたいことを行い、あとはエネルギーと勢いがつくのに任せることです。

「感情戦略」ブリアンナ・ウィースト著

結局習慣にすることが、変化を手にいれる確実な方法のようだ。そこに至るのに、何かの出来事が自分に降りかかり、そのおかげで一気に大転換されるものではないのだ。
当たり前のことだが、普段から目にするものが「これを飲めば痩せる」とか「この講座を受ければ合格する」など、これだけで願いが叶うかのようなキャッチコピーに普段から暴露されていることで、自分でも知らないうちに、安易に考える癖が無意識にまで浸透しているということが起きているかもしれない。

自分にとって良くない情報が目に触れるものを制限することも、変化することにつながる行動の一つかもしれない。

人が変わるために必要なのは、精神論だけではないのだ。
身体が持つ恒常性や
(心臓を止めないように、息を続けられるように、体温を維持するように)
無意識が持つ安全への欲求のことを知り、
身体や無意識が怖がって守りに入らないように、
脳を誤魔化すテクニックを使いつつ
少しずつ、
少しずつ、
習慣を変化させていくことで、
いつまでも自分を縛る変わらない現実に実際に変化を起こしていける。

地道だけど、少しずつ、
スモールステップこそが、変化のための道なのだと確信している。


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