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私は狂っている。
後ろから抱きすくめられて、愛撫されながら首筋に刃物を突き立てられて、殺されたい。果汁を滴らせて果実を貪るように、大丈夫だよ、大丈夫だよと、宥める声に狙われている。あなたは必ず才能がある、誰にもないものを持っているって。誰も寄り付かない樹海の森の美しさ。スピード狂に愛されて、ブレーキ痕に刻まれた。この世の果てで咲く花と街角の公園で咲く花の無邪気な会話を聞き取る毎日。私は狂っているの。そう、確かに狂っている。正しさを振りかざしたる坩堝の底で。
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