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クリエイティブ力を高める、小さな習慣(コピーライター・Rさんの事例)

現在注目されている若きコピーライターRさんから、クリエイティブ力を高めるちょっとした習慣について話をうかがいました。
以下、その内容をご紹介します。

◎好きな映画を何度も見る。

これは昔からの、ちょっとしたクセのようなものでもあります。
好きな映画ができたら、流し見も含めて、何度も見るようにしています。
映画を観る時、最初はストーリーを追うことで精いっぱいです。
しかし何度か見ていると、ストーリー以外のところに意識が向けられるようになる。
自問自答をしながら、作品に向き合えるようになる。
なぜ自分はこの映画が好きなのだろう。
それがわかるようになる。
言語化ができるようになる。
何度か見ることで、「創り手の意図」も想像できるようになります。
脚本家や監督が映画に込めた思い。
観客に対しての仕掛けやメッセージなど。
それらが少しずつ分かるようになるのです。
見ている作品の裏側が、少しずつ透けて見えてくる。
そのような感覚かもしれません。
映画を1回だけ見るのは、「消費するだけの行為」だと自分では感じています。
しかし同じ作品と何度も見ることで、映画の鑑賞が「消費」ではなくなっていく。
「生産につながるヒントを見つける行為」に変わってくる。
映画を何度も観ることで、その作品が好きな理由を言語化できる。
観客の心を動かすための、創り手の意図や仕掛けを見抜くことができる。
それらの情報を得ることで、自分が生産者、つまり創り手となった時の「パーツや部品」を得ることにつながっていくのです。
それが僕の、クリエイティブ力を高めるための、ちょっとした習慣になっています。

◎「しょうもないこと」を自分の中にためておく。

しょうもないことをためておく。
それも僕にとっては、クリエイティブ力を高めるコツになります。
僕の中には、たくさんの情報が蓄積されています。
たぶんその多くは、「しょうもないこと」ばかりのような気がします。
くだらないこと。
ちょっと気になった細かいこと。
そんなものが大量に存在しているのです。
例えば友人と話をしていた時に、友人が示したちょっとした反応。
こういう言い方をした時に、予想外のこんな表情の変化があった。
その時に感じた違和感や、なぜだろうという思い。
または、少し気になったことがあり、でも答えがわからず、
ムキになって徹底的に調べあげた細かい情報。
何かの出来事に遭遇した時、その時の状況を細かいところまで鮮明に覚えていたりもする。
そんな、何の役に立つのかわからない、しょうもない情報の数々。
それが自分の中にあることで、何かを考える際のヒントや発想素材になることがよくあるのです。

◎異なる文化に触れる。

僕は大学時代に、1年間ロンドンに留学しました。
音楽が好きで、現地の音楽コミュニティに参加することにしました。
日本とはまったく違うイギリスの音楽カルチャー。
戸惑うことの連続でした。
音楽のとらえ方や表現方法も全くことなり、自分の価値観に大きな影響を与えました。
この留学経験を通し、自分の中に「肝がすわったな」という感覚が生まれました。
異文化の中に思い切って溶け込んでみる。
異なる価値観を持つ人たちと出会い、関わってみる。
そうすることで、価値観の幅が広がり、結果、自分のことを客観的に見られるようになりました。
自分の考えや行為を、俯瞰でとらえられるようになったのです。
物事を自分中心で見なくなった。
自分のことを、別の自分が客観的に、俯瞰的に見ることができている。
そんな感覚かもしれません。
何かを表現する時、自分の作品を人前にさらす時、どうしても緊張がともなうものです。
でも、自分を客観的に感じるようになってから、その緊張の感覚を脇に置けるようになりました。
自我や自意識のようなものを、ある程度コントロールできるようになりました。
大きなきっかけは、異なる文化に触れた経験です。
そんなものも、クリエイティブ力を高めるコツの1つかもしれません。

◎小さな刺激材を得る。

先ほどの話の続きにもなりますが、「刺激的な情報を得る」ということも、何かを生み出す際に大切なことだと思います。
自分がこれまで触れてこなかったものに触れてみる。
自分が生きている世界とは、違う視点で物事を見てみる。
そうすることで、いつもの自分とは異なるものを生み出すことができると思うのです。
触れるものは、ちょっとしたことでいいのです。
僕はよく「英語の単語に置き換えてみる」ということを行っています。
商品の魅力を英語の単語で表現してみる。
自分の今のもやもやした感情を、英語に置き換えて言い直してみる。
インターネットの翻訳機能などを使いながら、調べ、言葉を探す。
すると、少し違う視点からの発見がいろいろとあるのです。
小さな刺激を自分に与え、小さな気づきを得る。
そして小さな発想を生み出してみる。
すると少しずつ、自分の中の生み出す力、つまりクリエイティブ力が、高まるような気がします。

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