介護DXやICT導入の前に
こんにちは、おーじです。
今回は、介護DXとICT についての話です。
DXとICTについて再確認します。
DXとは?
ICTとは?
現在、多くの介護施設ではPHSの代わりにスマートフォンが導入されていたり、それに伴うWi-Fi設備が整えられていたりします。
ICTに関しては導入・浸透していると言えます。そして、次に導入が検討されるのはDXになるでしょう。
私はテクノロジーによる業務改善や効率化に関しては肯定的に捉えていますが、同時に一抹の不安を感じています。
それは「何か忘れていないか?」ということです。
「何か」とは
その「何か」とは、ExcelとWordの事です。
他産業では世の中のテクノロジーが発展していくに伴って、環境を新しくしていきました。パソコンを導入して、ソフトウェアを活用して徐々に効率化していきました。Excelで計算して、Wordで書類を作る。
そして、データをクラウドで管理するまでに進化しました。
では、介護業界ではどうでしょうか? 嘘みたいな話ですが、今でも介護日誌を手書きしている施設があります。そのような状況でDXを謳っているのです。介護業界は危険な一足飛びをしようとしています。
基礎となるパソコンの使い方やExcel・Wordの意味を理解せずに、新しいものを導入しようとしています。
以上のことから、DXについて私が考えているリスクは3つあります。
ソフトウェア提供企業に依存する
埋没コストになる
一層非効率的になる
ソフトウェア提供企業に依存する
これは電子決算サービスなどでも同じことが言えます。何かソフトウェアに不具合が生じた場合、それを提供してくれた企業でなければ修復できません。
マニュアルなどの提供はあると思いますが、やはり根っこの部分ではその企業に依存してしまいます。その都度、料金が発生すれば、法人としては大きなコストになります。
埋没コストになる
新しく導入するものは、使われなくなるリスクが極めて高いと考えます。これは憶測ではなく、私の実体験です。高額な見守り支援システムなどを導入しても、うまく活用しなければ意味がありませんし、組織に馴染ませることも容易ではありません。
一層非効率的になる
「熱量保存の法則」をイメージして頂けるとわかりやすいかと思います。野球で例えるとバッティング練習を効率化しようと、ピッチングマシーンを導入するとします。一見、ピッチャー1人分の労力が削減できると思えますが、練習前にその重たい機械や大量のボールを運ぶ必要があります。
また、効率的にバッティング練習ができる反面、球場に散らばるボールは多くなります。それを回収する労力は増加しているのです。
しかし、この例ではピッチングマシーンから放たれる球の質(速さなど)は高いままなので、結果的にバッターの練習の質が向上しているのです。
そもそもの目的は「効率化」
DXに意識が向きがちですが、本来の目的は「効率化」です。そのツールがDXです。そうであれば、DXを学ぶ前に改善というものを学ぶことが先ではないでしょうか。
* * *
世の中にはパソコンを起動できない人がいる
「私パソコン苦手で……」という発言に対して、ExcelやWordの事だと捉える人がほとんどだと思います。しかし、私が介護現場で出会った人の中には、パソコンを起動させられない人が数人いました。私にとってそれはまさに未知との遭遇でした。
おそらく昭和末期〜平成初期のどこかのラインで、電子機器の得手不得手が分かれていると考えます。
つまり、令和になった今でもテクノロジーに対して分かる人と分からない人がいる事実があり、そして、介護現場では圧倒的に分からない人が多いのです。
そのような環境でDXを浸透させていくには、ある程度のマネジメント経験や改善・効率化の知識が必要です。
そのためにはまず基礎となるExcelとWordの使い方と活用方法を身に付けることをオススメします。
改善やExcel、Wordについては別の記事で詳細に説明します。
以上
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