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ooen FILE / vol.001:hale coffee 河原遼弥さん 「穏やかにリラックスできる空間を」


 大学で珈琲の世界の扉を開け、「hale coffee」という屋号で羽ばたき始めた河原さん。その想いや活動の根底にあるのは、小さい頃の体験や自身の信念によるものが大きく影響を与えていました。

■自分の主張を持とうという意識が芽生えた

-小さい頃はどんな感じだった
 性格的には大人しかったと思います。あまり目立ちたくなかったし、学校でも自分からは手を挙げないタイプでした。でも、勉強は苦手ではなかったですし、サッカーをしたり、休み時間に友達と遊んだりして体を動かすのも好きでした。読書もよくしていましたね。

-大人しい性格で、好き嫌いは特になかった
 ただ、その一方で大人しいことが、自分の主張がない、意見がないのではないかと思い、コンプレックスでもありました。それを克服しようと、学級委員をやってみましたが、その時はむちゃくちゃ緊張しましたね。でも好奇心はとてもあったので、やってみることで、自分を変えよう、自分の主張を持とういう意識が出てきたと思います。

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■スキルを身につけながらコーヒーの魅力にハマり込む

-コーヒーとの出会いは
 最初の記憶は高校受験の時に眠気覚ましで飲んだインスタントコーヒーですね。苦い印象しかないです(笑)。大学受験が終わった時に、ホテルのアルバイトを始めたんですが、隣のカフェでラテ・アートをやってみるのをみて面白そうだなと思いました。そこで興味を持って、紹介してもらったのがDEAN&DELUCAのアルバイトでした。

-そこからコーヒーにのめり込んでいった
 好きで始めたというより、最初は色々と覚えざるを得ないという感じでした。まずは、ラテ・アートができるようにならないと次に進めないので、めちゃくちゃ練習しましたね。ドリップの練習も繰り返しました。教えてくれる人が結構スパルタでしたが、そのおかげでかなり鍛えられたと思います。コーヒーのことについては、今でもその人が師匠ですね。

-技術から入っていった感じ
 そうですね。コーヒーが好きで始める人が多いと思いますが、色々とやってみるうちに、抽出の方法とかマニアックな面を知るようになって、作り方によって味が違うことが面白かったですね。そこからコーヒーの世界が広がっていったと思います。考えてみると、こうした好奇心の強さというのは、自分の性格や小さい頃の体験によるものが影響していると思います。

■お店をやるために試行錯誤

-お店をやってみようと思ったきっかけは
 高校生くらいの時から個人経営のお店をやりたいと思ってました。祖父が床屋さんをやっていてよく行っていたのですが、常連さんが多くてコミュニティができていて、いい空間だなと思っていました。その影響が大きくて、サラリーマンになることは想像してませんでしたね。大学を選ぶときも「お店を経営するとしたら」という視点で考えていて、英語も得意だったので、大学では国際経営学科を選びました。

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-大学に入ってからは
 大学に入ると、周りに起業したいという人が多かったですね。自分も何かしなきゃと思って、そこでキッチンカーをやろうと考えました。ただ「やりたい!」だけだと何もしないなと思ったので、このことを周りに言いまくってました。何のためにやるのか、どれくらいお金を貯めればいいか、コーヒーの勉強をもっとしなきゃ、どれくらいのタイミングでオープンしよう、とか色々と。ボヤっとはしてましたが、それを言葉に出して、やらなきゃいけない状況を作っていました

-それでやってみた
 ところが、いざ計画はしてみたものの、収益的に厳しいなという感じだったので、キッチンカーは実際に行うまでには至りませんでした。じゃあどうしようと思って、色々考えたり調べたりしているうちに、「間借り」という方法があることを知リました。これなら初期費用も少なくできるかなと。
 それでまた調べたりしているうちに、ooenのことを知って、すぐに連絡しました!他にも幾つか見てみたのですが、予算的に週1〜2回で考えていたのと、雰囲気とかも良く、他にも借りている人がいて常連さんもいて、コミュニティが既にできていたので、ooenでやってみることにしました。

■ 暖かい場所づくりのために

-hale coffeeという名前の由来は
 メインの意味は日本語の「晴れ」です。イメージとしては、冬の公園の陽だまりの感覚に近いですかね。ちょっと息抜きができたり、暖かい場所にできたらいいなと思っています。もう一つは、スペイン語で「アレ」と読み、サッカーとかフラメンコの掛け声で「頑張れ!」というポジティブな意味で使われます。それともう一つ、英語のhaleにも「穏やかな、健康な」という意味があって、こうした要素が全部組み合わさっているイメージを作っていきたいと思っています。

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-hale coffeeとしてめざしていきたいことは
 ooenでやってみて、穏やかなゆったりした家みたいな雰囲気が作り出されているので、自分がやるお店でもこうした雰囲気を出していければと思ってます。暖かい場所や陽だまりみたいな場所ですね。

-まさに名前の由来とも合致する
 そうですね。そのために一番大事にしたいことは、空間としての演出だと思います。味が良いだけでは人が来ないと思いますし、人との接し方や暖かい雰囲気、リラックスできる空間を作っていきたいですね。そして、バランス良く誰でも楽しめるようにしたいとも思います。

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-そこに美味しいコーヒーを出していきたい
 ただ流行りのコーヒーを打ち出すだけではなく、例えばブラジルみたいなしっかりした風味のものもあれば、紅茶っぽいすっきりした味だったり、酸味があるコーヒーがあったりと、誰でも違和感なく受け入れられるコーヒーを揃えていきたいですね。
 その時その人に合うものを飲んでもらいたい。コーヒーが好きな人から、そんなに興味ない人にも受け入れてもらえることも大事だと思います。そこに来た人が空間を楽しめるような感じにしていけたらいいなと思います。

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■やらないことがチャンスを逸する

-お店づくりの他に考えていることは
 そうですね、まずは自分なりのコミュニティを作っていきたいと思います。また、海外での経験を活かしたり、スペイン語や国際経営のことを学んできたので、国際的な活動も含めて取り組んでいきたいと思います。例えば、各国のコーヒー農園にある経済格差について、どうしたら解消できるようなことも考えていきたいですね。

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-これからチャレンジしていきたい人に向けて
 自分自身は、何かチャレンジすることがリスクだとは思っていません。むしろ、やらないことの方が出会いのチャンスを逸してしまうかもしれない気がします。

-やらないことが逆にリスクになると
 映画タイタニックで出てきた言葉で「make it count」というのがあって、この言葉はとても好きなのですが、意訳すると「いまを大切に!」という意味です。
 限られた時間の中で、自分の行動を制限するのはとてももったいないと思います。ポジティブに「うまくいくかもしれない」「面白くなるかもしれない」と思ったらきっと良いことがあると思います。やってみて損することは何もないかなと。

【プロフィール】
河原 遼弥(かわはら りょうや)

1998年生まれ。明治学院大学4年生。2020年11月から期間限定で間借りコーヒースタンド「hale coffee」をオープン。今春からコーヒー業界の企業に就職予定。

【Instagram】hale coffee


※つながる文化ターミナル「ooen」では、場所を使ってチャレンジする方を応援しています。1階はシェアキッチン、2・3階はワークスペースとして、撮影場所やテレワーク、小規模のイベントなどでご利用いただけます。詳しくはこちらをご覧ください。


text : Shinichi Komatsu
photo / movie:Misa Fujita





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