橋爪志保

歌人。著作に『地上絵』(書肆侃侃房,2021)。 公式サイト http://hashi…

橋爪志保

歌人。著作に『地上絵』(書肆侃侃房,2021)。 公式サイト http://hashizumeshiho.com/ ぜひ見てね!

マガジン

  • エッセイ・散文

  • 小説

    橋爪志保の短編小説をまとめています。

  • 現代短歌の鑑賞101

    『現代短歌の鑑賞101』(小高賢 編著)をゆったりまったり読んでいきます。

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    歌集評、歌集の感想を書いています。

  • BOOK SPACE SHIP

    橋爪志保と東咲の読書会の記録。

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橋爪志保の今読める作品リスト

(最新情報は橋爪志保公式WEBサイトが見やすいです!ぜひクリックしてね !) こんにちは、橋爪志保です。いろいろなところであたらしくわたしの作品を知って下さる方が増えたので、今出回っている本を中心にしごとをまとめてみました。「橋爪の短歌をもっと読みたい!でもどこで読めるの?」という疑問にお答えできるページになればいいなと思います。また、こちらの情報は2023年7月28日現在のものとなっています。 歌集 ・第一歌集『地上絵』(書肆侃侃房) 『地上絵』は2021年4月に発

    • いちごつみ㉚2023(志賀玲太・橋爪志保)

      2023年の1月に、志賀玲太さんと作ったフリーペーパー「いちごつみ㉚」のデータを公開します。本フリーペーパーは、2023年1月文学フリマ京都の「のど笛」ブースで委託配布、2023年5月文学フリマ東京の「ジングル」ブースで配布されたものと同じ内容です。 「いちごつみ」とは、相手が作った短歌から一語とって歌を作り、それを繋げていくあそびのことです。 以下のダウンロードボタンから、PDFをダウンロードしてお楽しみください。また、読み上げ機能等でお楽しみいただいている方向けに、テキ

      • 短歌連作15首「I Dreamed A Dream」

        I Dreamed A Dream   橋爪志保 夜に声が出てくるときはネットカフェへ走って暴力の漫画見た ほんとうは身体をもっと冷やしたい元気がいいときに水飲んで つめの甘い言葉でないと話せない ミニカーのタイヤはかわいかろ 書いていて取り上げられた自由帳思い返せば小説だった 十年を待てば胸にも侵入できると友達は言って生きる気なんだ あってもなくても同じの歌をうたうけど別状がない命などない 失敗をしたくなかったから貸した肩の力を抜いてください 集まってみ

        • 短歌連作10首「琥珀の領分」

          琥珀の領分    橋爪志保 笑いながら バイエルは60番 目くばせしない大人を探す旅 まばゆければ 銘菓ひよ子の入学式をあなたはひとつ持っているのだから ブロウクンハートのそばに棲んでいる卑猥な天使 スープのわかめ ゲームキューブの取っ手をにぎり持ち上げて消費ではない楽しさのころ 思わないことだけがある木曜日生まれたいとは思わなかった 空に馬 紙が波打つ意味なんてわかりすぎる 手のひらは日影すぎる 背泳ぎは息が空から吸えるから習わないけど美しかった 同じ色を探

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          『夜空に絵本をひらいて』サンプル

          『夜空に絵本をひらいて』というタイトルのエッセイ誌を発行しました。絵本と児童書あわせて21冊の本に捧げる、書評のような感想のような思い出語りのような散文を21編のせています。本記事では、①1冊目『わたしようちえんにいくの』と②20冊目『おひめさまがっこうへいく』にまつわるエッセイをサンプルとして掲載いたします。(偶然にも「社会生活はつらいよ話」がふたつになりましたが、本編ではもう少し幅広くいろいろなことを書いています) ーーーーーーー以下本文①ーーーーーーーーー 『わたし

          『夜空に絵本をひらいて』サンプル

          BOOK SPACE SHIP第二夜『セーブデータ』(榊原紘)

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          BOOK SPACE SHIP第二夜『セーブデータ』(榊原紘)

          BOOK SPACE SHIP第一夜『モモモノローグ』(御殿山みなみ)

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          著者のことば ~歌集『地上絵』出版にあたって~

           橋爪志保という名前で短歌をつくるようになってから、もうすぐで8年になります。橋爪志保というのはわたしの本名でもあるので、この名前を名乗るようになってからの年月をかぞえると、ちょうど28年です。 わたしの28歳の誕生日の明日を発行日とした本、歌集『地上絵』が出版されます。歌集というのは、短歌(57577のリズムを基本にした短い詩です)の作品集のことで、この本には317首の短歌が収録されています。わたしが、20歳から27歳までの間に作った短歌です。 『地上絵』は、わたしのはじめ

          著者のことば ~歌集『地上絵』出版にあたって~

          七月の百首会(2020.7.23)でつくった短歌

          こんにちは。橋爪です。7月23日に開催(主催・廣野翔一さん)された「七月の百首会」(13時間でそれぞれの参加者が100首をつくる会)に参加してきました。ZOOMを使用して行われ、黙々とPCに向かって歌を作る一日でした。わたしは百首会初経験でしたが、終了時間1分前に無事完走!歌のクオリティもわりと保てました。とりあえず今はほっとしています。参加者のみなさま、ほんとうにおつかれさまでした。つくった100首は、このページですべて公開いたします。今回は個人的に、プライベートでとても辛

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          七月の百首会(2020.7.23)でつくった短歌

          いちごつみ60(はたえり・橋爪志保)

          去年にはたえりさんと発表したネットプリント「いちごつみ60」を公開します。 以下、テキストです。 ストップと言われなくって牛乳をコップの外へこぼしてしまう 道路へとすぐにとびだす心だよドクターストップさえきかなくて 紙吹雪散らせることの難しさ 心のままに春は傾く メロンパンくわえたままで寝てしまう春の星座もわすれてしまう でたらめな星座と思う明け方のシャワーヘッドを滴る水は 明け方にきみが小さくする咳の 狂えばかなしみもなくなるの? だからこそ茹ですぎたラーメンのよろ

          いちごつみ60(はたえり・橋爪志保)

          いちごつみ60(金山仁美・橋爪志保)

          ちょうど一年ほど前に京大短歌の金山仁美さんと作ったネットプリント「いちごつみ60」を公開します。「いちごつみ」とは、ひとつ前の歌から「一語」を拾ってきて次の歌につなげていく歌作りの方法だそう。 新型コロナウイルスの影響でさまざまな自粛がなされるなか、すこしでも短歌の力でこころやすらげるよう、祈りをこめて。 以下、テキストです。 いちごつみ60 金山仁美・橋爪志保 最後から五番目とかのまま今も脚本通りに泣こうとしている               書き込んでページを

          いちごつみ60(金山仁美・橋爪志保)

          第二回笹井宏之賞永井祐賞受賞スピーチ

           こんにちは、橋爪志保です。このたびは、永井祐賞という素敵な賞をいただき、ありがとうございます。選考委員の皆様、関係者の皆様、短歌をつくる仲間の皆さんや、読んで下さる方、さまざまな方に心からお礼を申し上げます。  受賞連絡の電話が来たとき、わたしは恥ずかしながら号泣してしまいました。自分の作品が認められたことが嬉しかったのか、たくさんの人に読んでもらえるという未来を想像して喜んだのか、それとも大賞を受賞できなかったことが悔しかったのか、今となってはよくわかりませんが、それでも

          第二回笹井宏之賞永井祐賞受賞スピーチ

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評⑦

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評⑥|水沼朔太郎|note(ノート)https://note.mu/mizu0826saku/n/n5882413442ea ピュアなゴースト 橋爪志保④  こんにちは。早速本題に入りますが、『アーのようなカー』と〈死〉についてですね。たしかに、〈死〉のにおいが濃厚ではないかという考え方、もっともだと思います。けれど、既存の〈死〉のイメージとは少し違うような印象をわたしはこの歌集から受けました。なんというか、死をあまり重いものとか暗いものと

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評⑦

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評⑤

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評④|水沼朔太郎|note(ノート)https://note.mu/mizu0826saku/n/nf754bec1a313 「モノ」ばかりストレスフリーの世界かな 橋爪志保③ 水沼さんこんにちは。なるほど、〈うつくしさ〉を詠んだ歌、こんなにあったんですね。なんとなく多いとは思っていたけど、数えたらほんとうに多いですね。「〈うつくしさ〉っていうのは距離の遠近感そのものを暴力的に無化するようなことだと思う」という主張も、ちょっと難しい話だけど

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評⑤

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評③

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評②|水沼朔太郎|note(ノート)https://note.mu/mizu0826saku/n/n993c55594af4 語彙フェチと比喩の距離 橋爪志保②  こんにちは。ひえ~序盤から結構難しいことが述べられている!えっとつまり、「カア」に「カア」と鳴き返さずに「アア」と鳴いているところが、共感系の歌からの「ズレ」であり、その「ズレ」を作者は求めているように読める。ファスナーの歌も、「『共感系』に『ズレ』をもってして立ち向かうこと」を

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評③

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評①

          すっとん恐怖な真顔の歌   橋爪志保 ① 水沼さんこんにちは。『アーのようなカー』読みました。最初の印象は、これと同時刊行の『煮汁』と『平和園に帰ろうよ』がすごくネットで話題を呼んでいて、同時刊行ってなーんか難しい問題だな!うん!って感じだったんですが、読んでみたらすごく面白かったです。 というか、まずこの表紙や裏表紙、挿絵、すごすぎませんか。あとがきによると作者の夫の作品のようですが、なんとなくアンリ・ルソーの作品を思わせるような、一言では形容しがたい、素朴な悪夢みたいな

          寺井奈緒美『アーのようなカー』往復評①