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Cayin Fantasy(YD01) レビュー!デザインも音質もキラッキラ☆

Cayinについて

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Cayinは1993年に設立された中国の音響メーカーです。スピーカー用の真空管アンプの印象が強いのですが、ホームページで確認したところ、2013年にオーディオプレイヤーを発売したようです。(ちょっと機種名はわかりませんでした。)

2015年には個性的というか、なんとも言えないデザインのポータブルオーディオプレイヤー N5、N6と共に、ポータブルDAC+ヘッドフォンアンプ iDAC-6 と iHA-6が発売されています。

店頭やWebでCayinのポータブルオーディオ製品を目にするようになったのはこの頃ですね。

翌2016年にはDAPのi5が発売されていますが、この機種はこれまでと一変してシンプルで物欲を刺激するデザインです。OSにAndroidを採用したのもこの機種が初めてだったと思います。

製品の見た目に弱い私としては、何度かeイヤホンでi5を試聴したのですが、自分が好きなメタル系には合わないというか、ちょっとスピード感に欠ける気がして購入には至りませんでした。

その後もN5ⅱなど、価格・スペックともに魅力的な機種がリリースされたのですが、たまたまか、縁が無かったのか購入することはありませんでした。

そういう意味でも、今回、Cayinのイヤホンを店頭での短時間の試聴ではなく、じっくりと聴くことができるのは楽しみに思っています。

製品本体・附属品

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イヤホンの箱にしては大きめです。開けるとイヤホンが入っているのは普通ですが、その下に二段の引き出しが。上段はイヤーピースがぎっしりとイヤホンポーチ、下段には箱が二つ収まっており、一つはケーブル、もう一つはクリーニングクロスやマニュアルなどが入っています。

イヤーピースの種類が豊富で、Balanced Eartips(S、M、L)、Vocal Eartips(S、M、L)、Bass Eartips(S、M、L)、Memory Form Eartips(2ペア)、Bi-flange Eartips(1ペア)と最初にイヤホンに装着されていた正体不明なイヤーピース1ペアの6種類13ペアも付属しています。(附属品一覧では5種類12ペアとなっており、ちょっと謎です。)

ケーブルは「厳選された6N OCC銅と銀メッキコアを使用した38本の導体により、優れた伝導性とクリーンで品位ある音を実現」ということで、やや重みを感じますが、しっかりとしたケーブルです。さすがに価格が価格なだけに、外箱もアクセサリーも豪華ですね。

イヤホン本体はステンレススチール製でずっしりと重たく、光沢のある鏡面仕上げはとても美しいですが、カメラで撮影する際には映り込みが気になります。正直、Webで見た時は価格の割にはいまいちな見た目だなと思いましたが、実物を見るととても物欲を刺激される仕上がりでした。

ちなみに今回にお借りしたイヤホンは、傷がつかないよう保護シールが貼ったままだったので、写真映りがいまいちで、魅力が伝わるかちょっと心配だったりします。

スペックについて

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CayinのイヤホンはYB04に続き、YD01は二作目になります。YB04は型番通り?BAを4機搭載しており、店頭で試聴した印象はあまり癖が無いナチュラルな音質という印象でした。

一方、このYD01はダイナミックドライバーを1機搭。Cayinのホームページによると「デュアル・キャビティ」「2Wayマグネティック」「ベリリウム振動板」と様々な音質対策を施した10.3mmシングル・ダイナミックドライバーだそうです。

デュアル(ダブル)・キャビティは特に最近の中国製イヤホンでよく見かけるワードで、NF AUDIO NM2+、NA2+、TFZ LIVE X、Moondrop Ariaなどでも使われています。

以前は10万円を超えるイヤホンといえば多ドラ機でしたが、ここしばらく(Victor HA-FW10000以来?)、FINAL A8000、Technics EAH-TZ700、SENNHEISER IE900のように、ダイナミックドライバーを搭載した高額なイヤホンが増えてきました。
一概には言えませんが、スペックではなく音でイヤホンを選ぶようになったのかなと思っています。このYD01も、先ほど例示したイヤホンほどではありませんが、約10万円とそこそこ高額な1DDイヤホンになるかと思います。

音質

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実際に音を聴いていきます。

スマートフォン: xiaomi POCO X3 Pro
DAC・アンプ:Fiio Fiio Q5s TC
ケーブル:Beat Audio Emerald MKII Digital Adapter Cable USB Type-C to USB Type-C
再生ソフト:Amazon Music HD

まずは最初から装着されていたイヤーピースを使用。かなり高域寄りで、シャカシャカとした感じです。低域がほとんど感じられません。

ちょっと低域を強めようと、イヤーピースをBass Eartipsに交換。改めて聴き直します。高域寄りなのは変わりませんが、ソリッドで深い低音、キレキレの高域と最初の印象とは大きく変わります。

個人的によく聴くジャンルでは、カーペンターズなどのボーカル曲には合いませんが、ナイトウイッシュ、ディレインなどのシンフォニックメタルは、見晴らしの良さもあり、スケールが大きくダイナミックに楽しめます。

お気に入りのイヤホンだったRHA CL1とちょっと似た音のように思いますが、そこまで音が硬くはないかなとは思います。鳴らすためにCL1ほどパワーがいるわけではないので、使いやすく、ちょっと丸くなったCL1というところでしょうか。

せっかくなので他のイヤーピースも使ってみました。Balanced Tipsは最も高域寄りですが、刺さるとまではいきません。Vocal Tipsはかなりボーカルが近く、最近の流行りの曲に合うのではないでしょうか。

アンプのゲインはハイでもローでも基本的な音の傾向は変わらないので、鳴らしにくいイヤホンではなさそうです。

イヤホンはステンレススチール製ということもあり、やや重さを感じますが、装着感は悪くなく、イヤーピースが合うかどうかもありますが、遮音性もそこそこ高く感じました。

総評

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Cayinのイヤホンということで、勝手にナチュラルで暖かい音質かと思っていたYD01ですが、まさかの硬質な音に嬉しくなってしまいました。

個人的にはやはりBass Tips一択かなとは思います。もちろん他のイヤーピースを好む方もおられるでしょうし、DAPやアンプの違い、他社製のイヤーピースやケーブル、またバランス接続などいろいろと追い込み甲斐のあるイヤホンだと思います。

特にCayinのDAPや弩級と言われるポータブルアンプ C9と合わせるとどのような音を聴かせてくれるのか気になります。

https://onzo.co.jp/products/543/