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耳におさまる世界最小のスピーカー INAIR M360/M360BT レビュー

はじめに

こんにちは、ライターのレグミノです。
突然ですが、皆さんはスピーカーで音楽を聴いたことはありますでしょうか。
スピーカーの特徴といえば、音楽が繰り広げられる音の空間や定位を、目の前で演奏しているかのごとく感じられる点だと思います。
スピーカーのような音楽体験が耳にすっぽり収まるサイズで楽しめる、
と言ったら皆さん信じられますか? 
今回は世界初の耳に入るスピーカー
INAIR M360 / M360BT (ワイヤレス仕様)
をご紹介いたします。

製品について

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INAIR M360
INAIRは日本で生まれた音響ブランドです。最高のリラクゼーションと音楽体験を提供することを目標としており、その信念から生み出されたのがM360/M360BTです。
M360/M360BTはクラウドファンディングから始まって一般販売に至った製品です。クラウドファンディングでは3700人以上に支援され、4000万円近くも支援金が集まっています。多くの支援と好評によって製品化され、2018年にはGOOD DESIGN AWARDを受賞しています。
今回のレビューでは製品についてはもちろん、「耳におさまる世界最小のスピーカー」とはどういうことなのか、お伝えできればと思います。

以下はスペックの詳細になります。


M360
タイプ: INAIR Ergonomics Ear Speaker
SPECIAL FUNCTION: "AIR TUBE"搭載
スタイル: 有線入力3.5mm4極 / ステレオ ミニ
プラグ形状: L型 / 金メッキプラグ出力音圧レベル92dB±3dB(at 1KHz,1mW)
周波数特性: 10 - 20kHz
インピーダンス: 16Ω±15% at 1kHz(DC)
付属品: インエア方式イヤースピーカー本体、ネックストラップ、ケーブルクリップ、インエアーキャップ4セット、取扱説明書、保証書

M360BT
タイプ: INAIR Ergonomics Ear Speaker
SPECIAL FUNCTION: "AIR TUBE"搭載
Bluetooth : Ver. 4.2
対応コーデック: SBC/AAC/aptX
連続再生時間: 約5時間
周波数特性: 20 - 20kHz
インピーダンス: 16Ω±15% at 1kHz(DC)
付属品: インエア方式イヤースピーカー本体、ケーブルクリップ、インエアーキャップ4セット、充電用USBケーブル、取扱説明書、保証書


製品本体

初めてM360/M360BTに触れましたが、まずその見た目に驚かされました。筐体やイヤーピースは、他のイヤホンでは見たことがないような独特の仕様になっています。

筐体

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筐体を見てまず驚いたのは、筐体が非常に細く小さいという点です。筐体が小さいといわれているfinal社のEシリーズよりも小さく細いので驚きです。
か細い筐体にも見えますが、無垢のアルミ材から削り出して作られているため、軽量ながら頑丈さも兼ね備えているそうなので安心です。

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また、筐体には一般的なカナルイヤホンで見られる音導管がありません。直径わずか6mmのドライバーが収められた筐体の先端には、AIR TUBEと呼ばれる新規開発の生体適合シリコン製のチューブが装着されています。筐体の先端からその一部をチューブが包むような形状になっています。
リスナーの外耳道の中はもちろん、チューブ内部にも音を満たして360度方向に音を伝達することで、頭部の皮膚や骨にも音の振動を伝えています。この技術は「AIR TUBE」Woofer Technologyと名付けられており、スピーカーのような頭外定位やサラウンドのような表現に貢献しています。

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イヤーピース

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正確にはイヤーピースではなく、インエアーキャップという名前です。ボールのような形をした柔らかいスポンジ状で、AIR TUBEをすっぽり覆うような形になっています。
M360は「耳内宙空にスピーカーを浮かせる」というコンセプトから開発さているそうで、このキャップとAIR TUBEによってそのコンセプトを実現しています。

ケーブル、マイク付きコントローラー、Bluetoothレシーバー(M360BTのみ)

有線版のケーブルは分岐するまでの部分、Bluetooth版はネックに当たる部分が布製の被覆でおおわれており、しなやかで触り心地は良くタッチノイズも少ないです。有線版のケーブル分岐、Bluetooth版の筐体までのケーブルはTPE素材でおおわれており、こちらも耳へ当たった時のタッチノイズは少なく、感触も良好でした。

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有線、無線版ともにiOS、Android対応のマイク付きコントローラーがケーブルに搭載されています。音量のアップダウンや再生と一時停止、音声通話などが手元でおこなえます。ケータイなどで使用するときなどに重宝します。M360BTのコントローラーには充電用のジャックもついているため、コントローラーのサイズが有線版よりも大きめです。

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M360BTのケーブルにはBluetoothレシーバーがついています。SBC/AAC/aptXに対応しており、大きな遅延や跡切れはなく接続して快適に使用できました。少々大きく存在感を感じますが、とても軽いため重さによる負担は感じません。


付属品
付属品として、ケーブルクリップ、インエアーキャップなどが封入されています。

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ケーブルクリップは、ケーブルに装着して衣服などに挟むことでもともと少ないタッチノイズをさらに軽減してくれます。普段の使用や歩きながらの使用でも、タッチノイズによるストレスは軽減され、快適に使えそうです。

さらに、インエアーキャップは4セットついているので安心して使い倒せます。付属分で足りなくなった場合にはキャップ単品の購入もできます。

有線版にのみ付属するネックストラップは、イヤホンに取り付けることで、首かけスタイルで使用できます。様々なスタイルで使いやすいようにするための配慮がうかがえます。

M360BTには充電用のUSBケーブルも付属しています。問題ですらないかと思いますが、個人的には互換性の点からtype C端子だと良かったなと思いました。

装着感
M360は装着方法も一般的なイヤホンとは異なります。一般的なカナル型イヤホンと同じように装着したくなりますが、そのような装着方法では十分な低音が感じられなくなります。
スポンジを指で縮めてから耳奥まで入れ、筐体を耳穴付近の窪みに接触させるようにして装着します。

初めて装着する人や、正しく装着できているか不安な人は、INAIR公式がアップロードしている正しい装着方法の動画(https://www.youtube.com/watch?v=F9_Y3jIq9gE)で確かめることができます。実際、私もこの動画を参考にして正しく装着できました。
こういったユーザー目線の心遣いはとても素晴らしいと思います。

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また、販売されている商品に入っているかはわかりませんが、ONZOのレンタル品には装着方法の写真や動画へのQRコードが描かれたシートが入っていました。こちらもとても助かりました。

装着してみると、柔らかくふわふわしたキャップは耳の形状に合わせて変形し、装着したときの圧迫感は少ない印象です。個人的に装着して最初のうちはスポンジが耳に入っている感覚がありましたが、使用しているうちにあまり気にならなくなりました。
また、筐体が耳の中におさまっているので、耳への痛みや負担はほとんどなく、普段の使用はもちろん、寝ながらの使用でも快適に使えそうです。

またM360の構造上、仕方のないことなのかもしれませんが、遮音性はカナル型イヤホンと比べると低く感じます。騒がしい環境だとどうしても外部の音が耳に入ってきしまう点は個人的には残念でしたが、静かな環境や少々の雑音の中での使用なら気になりませんでした。


音質

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今回はFiio M11proで聞いてみました。

まず、有線版から聞いてみます。
最初に驚いたのは独特の定位と音場です。自分の頭を中心にその周りを音で包んでくれるような感覚を味わえます。通常のイヤホンは頭の中に音像が浮かんで空間が形成されますが、M360は頭の外で音楽が演奏されているような感覚に陥ります。私が今まで聞いてきたイヤホンでは味わえなかったリスニング体験で、世界最小のスピーカーという言葉に納得させられます。

音のバランスは、弱めの低音と控えめな中音域、開放感ある若干強めの高音で構成されている印象です。
個人的には正直、各音域の音自体については解像度以外で特に優れた部分はないように思いました。無機質かつ解像度高めのか細い線のような音で鳴らすことで、独特の定位と音場の表現を支えることに注力しているような印象です。

M360BT版
実はM360BTは有線版とは若干仕様が異なり、Bluetooth用にアンプが搭載されています。有線版と比べると、Bluetoothに起因する音の粗さはありますが、空間表現や音場、解像度には大きな違いはありません。しかし、低音は有線版よりも量感が多く感じる印象です。中音域や高音域も力強さがあり、音の太さなどがパワーアップした印象でした。個人的には有線版よりもM360BTのほうが好みです。


まとめ

今回レビューさせて頂いたINAIR M360は、
「耳にすっぽり入るコンパクトな筐体から、色付けしない音色でスピーカーのような空間・定位を演出してくれる」
インナーイヤースピーカーと思います。個人的にはクラシックや映画や動画の鑑賞、長時間のリスニングに適していると感じます。
装着方法や装着感などが特殊で慣れるまで少々時間がかかりますが、
M360を聞いたことがない人にはぜひ一度味わってみてほしいと思える音楽体験をすることができました。

しかし、M360のイヤーピースや装着方法は特殊のため、装着感を確認せずに購入することに不安を感じるかと思います。
また、本当にスピーカーみたいなリスニング体験ができるのか、興味をそそられた方もいるのではないでしょうか。
そんな方々におすすめしたいのがONZOのレンタルサービスです。

ONZOではINAIR M360/M360BTをはじめとした多種多様なオーディオ機器をサブスクでレンタルしております。ONZOでのレンタルの利点の一つはじっくり試せることだと思います。
今回のM360のような装着方法が特殊な機器でも、ゆったりとした自分の環境で、適切な装着感をしっかりじっくり確かめることができます。
M360が気になった方にはかなりおすすめのサービスだと思います。
ぜひONZOで様々な音響機器をレンタルしてみてはいかがでしょうか。


レグミノ