あの子

もしも僕があの子なら
こんな腐ったもの触れなかったのか
誰かの人生の深さは知り得ないから
あの子の脳内だけでも覗きたい
どんな世界が見えてるの?
きっと誰もが全員違う
生きてる世界 見えてる世界


死にゆく物語に魅せられたんだ
あの世って呼ばれてる場所が
僕には桃源郷にしか見えなくて
この世でそれが見つからないのが
悲しいのか寂しいのか


僕がもし生まれ変わったのなら
美女や賢さよりも
前世の感性だけを憶えていたい
あの子はそうは思わないだろうか

皆が言う優しさや常識なんかは
今は聞きたくない
あの子が触れて感じた温度だけ
僕にも知り得たい
不可能だと知りながら




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?