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温泉本の秘密(4)消えた共同温泉

これまで登場した共同温泉(ジモ泉)は58ヶ所、そのうち10ヶ所が施設の老朽化や湯温の低下などを理由に「別府八湯温泉本」から消えてしまいました。

別府には「別府八湯温泉道」に参加していない共同温泉(ジモ泉)も数多くその実態は別府市温泉課も把握できていないそうです。
パジャマ姿で風呂桶片手にフラリと町内の温泉に入り談笑する風景も組合員の高齢化や若者の温泉離れ等から経営難に陥り閉鎖するジモ泉が増えています。
別府の温泉文化の一翼を担うジモ泉をどのようにして次世代に継承していくのか別府が日本一の温泉地であり続けるための課題の一つです。

楠温泉(別府温泉)

 別府市楠町 4号のみ

楠温泉:小野弘氏所蔵

別府最古の共同浴場とされ、小野さんのnoteでは「楠温泉 クスノキの大木の根元から湯が湧くところから、その名前がある。明治維新の元勲井上馨が幕末、長州から別府に逃れてきてこの温泉で刀傷を癒やしたことで知られる。」と紹介されています。
茶色いお湯で湯温は低め(ぬるい)穴倉系で湯の香が充満するジモ泉だったそうです。
2011年3月に楠温泉が入っていたビルが取り壊されて「楠町ポケットパーク」となっています。

楠町ポケットパークのお薬師様

薬師温泉(別府温泉)

 野口中町 2~13登場登場

青山通りから見た薬師温泉

富士見通りと幸通りの交差点にあったレトロなジモ泉、幸通りの拡幅により2013年3月に閉鎖しました。

神丘温泉(鉄輪温泉)

 小倉4組 2~12号に登場

DANISHさんのそして温泉から

九州大学の八田教授が原爆症に対する保養効果があると推奨した超レトロな共同温泉でしたが、2012年7月に廃業しました。

本願寺の湯(別府温泉)

北浜三丁目 3号のみ

本願寺別府別院

本願寺別府別院にあった共同温泉「光明の湯」、台風で湯小屋がふっとんで湯舟だけになってしまいまい廃止されました。

京町温泉(別府温泉)

 別府市京町6-5  3~21号

京町温泉

2階が公民館・1階が温泉という典型的な別府のジモ泉でしたが2023年9月施設閉館のため脱退しました。

望潮泉(亀川温泉)

 上人本町 3~9号に登場

望潮泉:JakeさんのHP「温泉備忘録」から

「望潮泉」は昭和9年建築に石垣村(昭和10年に別府市と合併)によって建設され、銘々の経緯は不明ですが当時は周囲に建て物が少なかったので海が眺められたのだと思われます。※歴史愛好家の小野弘さんの情報です。
話好きな名物管理人さんが温泉道行修行者の訪問を楽しみにしてくれていました。

如意輪温泉(別府温泉) 

南須賀1組 3~13号に登場

珠玉の温泉さんのHPから

たどり着くのが大変なジモ泉としてファンも多かった温泉ですが、老朽化と湯温の低下のため2012年12月に閉鎖されました。

砂原温泉(鉄輪温泉)

 3~20号に登場

九州横断道を隔てた南側に位置する「砂原(すなばる)温泉」は弱酸性の温泉が多い鉄輪エリアでph8.7とアルカリ性のでしたが、源泉の枯渇などから2023年に退会、休館中です。

弓松温泉(別府温泉) 

別府市北浜3丁目  17~21号に登場

別府タワーや旅館やホテルが密集しているエリアにあるのに見つけるのに一苦労する路地裏温泉、自家源泉を持つ貴重なジモ泉でしたが2023年に退会

入江温泉(亀川温泉)

 浜田町5-8 17~21号に登場

半地下構造の鄙びた共同湯で湯船の中にある木栓を抜くと温泉が出てくる楽しい仕掛けがあります。
新型コロナで組合員以外の入浴を断っていましたが、2023年12月に温泉道に復活、来年の「別府八湯温泉本」には掲載される予定です。

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