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魚屋がシードルを売るワケ

好きな魚はカツオです(いや、選べないです)

福島県いわき市で100年続く老舗鮮魚店 おのざきです。4代目の小野崎雄一が自分の社会的使命を追求するうちに家業である魚屋おのざきを事業継承し、ふくしまの水産業を背負っていく覚悟を固め奮闘中です。ミッションは「街をもっと面白く、もっと多彩に」。いわきの街を盛り上げる挑戦をしています。

今回は、魚屋がなぜ??と驚かれるおのざきのオリジナルシードル販売について4代目が語ります。興味を持って頂けたら嬉しいです。


-オリジナルシードル販売のきっかけ

元々はおのざきオリジナル煮凝り、”金曜日の煮凝り”に合う白ワインを販売したくて地元の酒屋さん同行の元、ぶどう栽培が盛んな岩手県のワイナリーを回ったんです。訪ねた中で僕たちが1番美味しいと感じたワイナリーが岩手の”亀ヶ森醸造所”でした。試飲させてもらっている時に出して頂いたシードルが白ワイン以上に煮凝りに合うんじゃないか?と感じて、オリジナルシードルを販売する事になりました。

-煮凝りといえば”日本酒”のイメージの逆をいく

シードルに先駆けて販売開始した”金曜日の煮凝り”の企画段階で市場調査をしたんです。予想通り、7割の人が煮凝りに合わせたいお酒は日本酒と答えました。普通はこの結果を見て、地元の日本酒を併せて販売しようとなると思うんですけど僕は違ったんですよね。”金曜日の煮凝り”には白ワインを合わせて頂きたいという自論を曲げなかった(笑)。僕たちの煮凝りはオリーブオイルとも相性がいいので白ワインとのペアリングは間違いないんです。

-亀ヶ森醸造所への訪問

僕の妻もおのざきで働いているんですけど、当時1歳にもならない子供を連れて出張に同行してくれました。一般企業では考えられない状況ですけど、これも新しい働き方の提案になればいいなと思っています。とはいえ、大雪の中小さな子供を連れて醸造所まで歩くのはハードでしたね(笑)。

試飲中、窓から見える距離にエゾシカが登場したんですよ!あれはジブリの世界の実写版みたいに幻想的で感動しました。綺麗な景色を見ながらシードルを試飲して、贅沢な出張みたいに聞こえるかもしれませんけど実際は結構過酷で、発泡性のあるシードルがお腹の中で膨れる中で煮凝りとのペアリングをし続け終盤はお腹がパンパンで立ち上がるのも大変でした。。。

現地で色々お話しを伺う中で共感したのは亀ヶ森醸造所のこだわりです。
亀ヶ森醸造所シードルの原料となるりんごは彼ら自身で育てたもの、栽培方法も除草剤や化学肥料を使わないという徹底っぷりなんです。醸造所はほぼお一人で作業されているため大量生産できず、販売店も少ない中でおのざきオリジナルシードルを展開させて頂ける事になって凄く興奮しました。

亀ヶ森醸造所
試飲したシードルの数々

-金曜日の煮凝りと相性が良いオリジナルシードルの味

僕たちが選んだシードルはしっかり甘みのあるタイプなので、醤油・砂糖・みりんベースの甘じょっぱいオリジナル煮凝りと凄く合うんです。自宅でペアリングした中でおすすめしたいのはみりん干し、ほっきサラダ、特にブルーチーズは辛いほど相性が良かった!意外なところだとみたらし団子も合いそうだなと思ってます。あ!魚屋だから魚を勧めた方がいいのか(笑)。

自宅でのペアリング試食

-どんなシーンを想像しながら開発をしているか

オリジナル煮凝りの商品名は”金曜日の煮凝り”。週末にゆっくりお酒を飲みながらつまんだり、ホームパーティーのお土産にして頂けたらという想いを込めたネーミングです。パッケージにも拘りました!まさかこの箱から煮凝りが出てくるとは想像出来ないですよね?スイーツが出てきてもおかしくない箱はギフトにもピッタリの仕上がりに大満足しています。

金曜日の煮凝りはぷるんっとしたテクスチャーのジュレタイプなので、ゼリーの様にガラス皿に盛り付けると写真映えします。今回販売開始するオリジナルシードルのボトルと並べると更にいい感じになると思います!
思わずSNSでシェアしたくなるようなエチケットデザインも意識しました。ちょっとレトロで可愛くないですか?ちなみにブロックチェックは僕が大好きなVANSの箱からインスピレーションを受けています。

拘りのパッケージ
透明感がある器と併せると美しさが際立つ!
エチケットデザインのディレクターは4代目、デザイナーは妻の小野崎永理

-オリジナル商品開発はおのざきの挑戦

約100年続く老舗魚屋だからといって安泰なワケではないんです。水産業全体、福島の水産業、企業おのざきの課題…。課題は山積みです。
今回のオリジナルシードルの販売も課題解決への挑戦の一つ。本来捨てられてしまう魚のアラを活用して作っている”金曜日の煮凝り”とのペアリングで売り出す施策です。唐突に見えて実はストーリーがここで繋がります。

販売促進はなるべくデジタル広告に頼らずに、地場の飲食店に置いてもらったり、イベント開催でPRしようと考えています。先日東京で開催したイベントで”泡せるしいどる”をお披露目したんですけど、これが大好評でした。お客様の反応が直接見える機会は本当に貴重だと再認識したので、地道に実績を積み上げていこうと思います。さらに、いわきを盛り上げたい想いを持つ知人や友人数名を”しいどる大使”に任命してSNSでの発信をお願いしています。食に拘りのあるメンバーなので意外なペアリングがみつかるんじゃないかと楽しみにしています。何より今回、泡せるしいどるを中心に色んな人を巻き込みながらうねりを作っていける事に期待してます。

オリジナルシードルを販売する魚屋って面白いと思いませんか?実は今後も、魚に関心を持ってもらうキッカケになる企画が沢山控えています。次はどんな挑戦が発表されるのかを心待ちにして貰える存在を目指して頑張ります。

-商品情報

発売日:2022/6/1〜
価格:1,430円(税込み)
ご購入:鮮場小名浜店、海鮮寿司おのざき(店内飲食)、おのざきECサイト

販売開始キャンペーン開催中
泡せるしいどるをご購入いただいた方先着20名様に、金曜日の煮凝り・金曜日の煮凝りのために制作したオリジナルカトラリーのセットをプレゼント中です。是非最高のペアリングをお楽しみ下さい。


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