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閻魔大王の副官⁉ 小野篁卿が翔けた”あの世”と”この世”

今月は祖霊を迎えて家族の時間を過ごす「お盆」の月。

今月はあの世とこの世を行き来したという伝説を残した、当社御祭神である小野篁おののたかむら卿を描いた「「冥官めいかん 小野篁 おののたかむら」特別御朱印をご用意致しました…🎵



◆昼は朝廷、夜は冥府…「仕事の神」小野篁おののたかむら

当社御祭神であるたかむら卿は、昼は政務にいそしみ、夜は閻魔大王の副官として冥府で裁きを行っていたと伝わります。

御朱印ではどっしりと構えて冥府の裁きを行う閻魔大王のもとに駆け付ける篁卿。
朝廷の最高機関である参議の官職を務め、法律にも精通していた篁卿は、その卓越した政務能力で閻魔大王の副官としても活躍したといわれます🔥

例えば、篁卿の良き理解者であった藤原良相ふじわらのよしみが病で命を落とした際、篁卿は冥界の裁判官として良相を救い、生き返らせたというエピソードや、藤原高藤ふじわらのたかふじが死に瀕したときにも、「閻魔大王の隣に小野篁がいた」と語ったと『江談抄ごうだんしょう』に記されます。

篁卿の上申じょうしんにより特別な待遇が許されたことからも、いかに閻魔大王に強く認められていたかがわかりますね…✨

近年は「芸術・芸能の神様」の側面を取り上げられることが多い篁卿ですが、その際立った才をもって昼も夜も朝廷に冥府にと政務に精力的に取り組む姿は、まさに「仕事の神」といえるのではないでしょうか。


◆現存する篁卿のご遺跡

篁卿が冥界と現世を行き来する際に使っていたと伝わるのが、「冥土めいど通いの井戸」と「黄泉よみがえりの井戸」の二つの井戸です。
こちらの井戸は、現在も京都市東山区にある六道珍皇寺ろくどうちんのうじに残ります。

六道珍皇寺の境内付近は、古くから「冥界への入り口」や、「この世とあの世の境界」と考えられていた「六道の辻」にあたり、京都の三大葬送地のひとつ「鳥辺野とりべの」に至る道筋に位置します。

境内の閻魔堂には、篁卿の作と伝わる「閻魔大王坐像ざぞう」や、重要文化財指定を受けているほぼ等身大の「小野篁卿立像おののたかむらきょうりつぞう」が安置されています。

お立寄りの際は是非ご覧いただき、平安の世に冥界と現世を駆けた篁卿のご遺蹟いせきを感じてみてはいかがでしょうか…!

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