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短編 ピンクの象が窓から
ピンクの象が窓からじいっとこちらを見つめているので私は負けじと彼を見つめ返す。
彼はゼラチン質のねばねばした何かでできているので、窓枠(もう何年も、誰も塗り替えていない)にベタベタとくっついてなかなか離れそうにない。私は手を伸ばし、窓のノブを押し上げて窓を開け、ガラス越しのそいつに触ろうと試みるものの、背の低い私の手は頭のはるか上のノブまで届かず失敗する。そいつは私がそうしている合間にも絶え間
ピンクの象が窓からじいっとこちらを見つめているので私は負けじと彼を見つめ返す。
彼はゼラチン質のねばねばした何かでできているので、窓枠(もう何年も、誰も塗り替えていない)にベタベタとくっついてなかなか離れそうにない。私は手を伸ばし、窓のノブを押し上げて窓を開け、ガラス越しのそいつに触ろうと試みるものの、背の低い私の手は頭のはるか上のノブまで届かず失敗する。そいつは私がそうしている合間にも絶え間